結論
県庁所在地の松江市が価格トップで、出雲市(-19.7%)・浜田市(-35.8%)と続きます。価格推移では19年間を通じてノイズの大きい横ばい〜やや下落基調で推移し、2010年・2017年に統計的に有意な下落を記録しました。2026年には83.4まで下がっており、これは19年間で最も低い水準です(統計的には有意差なし)。県内価格差は松江市と邑智郡邑南町で5.8倍です。
島根県 市区町村別 価格ランキング(戸建て)
同じ延床面積・土地面積・築年数の物件で揃えて比較した場合の、市区町村ごとの価格差です(直近10年・3,178件の実取引データを回帰分析しました。基準=松江市)。
全16地区のランキングを見る
| 順位 | 市区町村 | 価格水準 | n |
|---|---|---|---|
| 1 | 松江市(基準) | 0.0% | 1240 |
| 2 | 出雲市 | -19.7% | 727 |
| 3 | 浜田市 | -35.8% | 330 |
| 4 | 雲南市 | -37.3% | 97 |
| 5 | 江津市 | -39.1% | 177 |
| 6 | 隠岐郡隠岐の島町 | -42.7% | 62 |
| 7 | 安来市 | -51.1% | 87 |
| 8 | 益田市 | -53.5% | 188 |
| 9 | 大田市 | -63.3% | 121 |
| 10 | 仁多郡奥出雲町 | -64.5% | 19 |
| 11 | 邑智郡川本町 | -67.9% | 15 |
| 12 | 隠岐郡西ノ島町 | -79.6% | 19 |
| 13 | 鹿足郡津和野町 | -81.0% | 26 |
| 14 | 鹿足郡吉賀町 | -82.3% | 16 |
| 15 | 邑智郡邑南町 | -82.7% | 17 |
| 16 | その他 | -83.4% | 37 |
すべての地区で松江市との価格差がp<0.05以下で統計的に有意です。
具体的に「延床120m²・土地200m²・築15年」で試算すると:
松江市と邑南町を比べると、同じ広さの家で5.8倍の価格差がつきます。
島根県全体の価格推移:19年間ノイズの大きい横ばい〜やや下落基調
同じ条件の物件なら何年にどれだけの価格だったかを指数化しました(2007年=100、県全体・戸建て)。
2007年を100とすると、2010年(85.5)・2017年(84.7)に統計的に有意な下落を記録した以外はほぼ横ばい圏で推移しました。2026年には83.4まで下がっており、これは19年間で最も低い水準ですが、この差は統計的に有意ではありません。取引件数が少ない(直近10年で3,178件)ため年ごとの変動幅が大きく、隣県の鳥取県と同様に明確な方向性を読み取りにくい市場です。ただし全体としてはやや下落気味の基調で推移した点が、多くの県で見られた上昇トレンドとは対照的です。
データから分かったこと
松江市が突出したのは、県庁所在地としての求心力に加え、宍道湖周辺の都市機能が集積していることの表れと考えられます。出雲市(-19.7%)も比較的近い水準で、県東部の2大都市が上位を占めています。
19年間を通じてやや下落気味の基調は、隣県の鳥取県とは対照的なパターンでした。鳥取県は直近で115.1まで回復傾向を見せていましたが、島根県は2026年に83.4まで下がっており、中国地方の中でも値動きの方向性が分かれています。
県内価格差は5.8倍で、シリーズの中では中位の水準でした。邑智郡・鹿足郡エリア(邑南町・津和野町・吉賀町など)のような県西部の中山間地域が下位に集中しています。
FIRE目線で一言
松江市中心部での住宅費を抑えたいなら、出雲市のような近郊都市が選択肢になります。県西部の中山間地域まで視野を広げれば、非常に手頃な価格で自然豊かな環境を楽しめます。
取引件数が少なく、やや下落基調が続く市場のため、購入タイミングを慎重に見極めることが重要です。
この記事のデータについて
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引データのうち、戸建て(宅地(土地と建物))取引を対象に、延床面積・土地面積・築年数・取引時期などの条件を揃えたうえで統計的に推定しています。市区町村別ランキングは直近10年(2016年〜2026年、3,178件)を直近重視の重み付きで、価格推移は2007年以降19年分(5,287件)を重み付けなしで、それぞれ別の回帰モデルで算出しました(決定係数R²はそれぞれ0.50、0.51)。松江市はまだ区制を敷いていないため、市全体を1つの単位としてランキングしています。