高知県の住宅価格を調べてみた(47都道府県完結)
FIRE移住研究 第47回(最終回)

高知県の住宅価格を調べてみた
— 長期下落から2026年に回復、これで47都道府県が完結 —

第47回は高知県です。マンション取引はほぼ高知市に集中し対象自治体が1のみと極めて薄いため、戸建て(対象22自治体)でランキングします。そしてこの記事をもって、47都道府県すべての分析が完了しました。

本記事は不動産情報ライブラリ(国土交通省)の公開データに基づく試算であり、投資助言や特定物件の推奨ではありません。想定条件を変えると結果は変わります。

結論

県庁所在地の高知市が価格トップで、南国市(-15.4%)・吾川郡いの町(-20.0%)と続きます。価格推移では2009年から2020年にかけてほぼ一貫して統計的に有意な下落が続き、2011年には79.5まで落ち込みましたが、その後徐々に回復し2026年には103.7(有意差なし)まで戻っています。県内価格差は高知市と高岡郡中土佐町で6.0倍です。

高知県 市区町村別 価格ランキング(戸建て)

同じ延床面積・土地面積・築年数の物件で揃えて比較した場合の、市区町村ごとの価格差です(直近10年・4,152件の実取引データを回帰分析しました。基準=高知市)。

-80% -60% -40% -20% 0% 高知市(基準) 0.0% n=2,573 南国市 -15.4% n=220 香南市 -29.0% n=172 四万十市 -38.2% n=191 安芸市 -49.0% n=55 土佐市 -50.4% n=130 高岡郡佐川町 -61.1% n=53 須崎市 -65.2% n=77 室戸市 -74.5% n=41 高岡郡中土佐町 -83.4% n=19
高知市より安い(統計的に有意)
全22地区のランキングを見る
順位市区町村価格水準n
1高知市(基準)0.0%2573
2南国市-15.4%220
3吾川郡いの町-20.0%112
4香南市-29.0%172
5香美市-29.1%129
6四万十市-38.2%191
7安芸市-49.0%55
8土佐市-50.4%130
9高岡郡日高村-56.0%24
10高岡郡佐川町-61.1%53
11宿毛市-61.8%61
12高岡郡越知町-63.2%26
13幡多郡黒潮町-64.3%37
14須崎市-65.2%77
15長岡郡本山町-68.1%16
16高岡郡四万十町-69.8%49
17その他-71.9%91
18安芸郡東洋町-73.0%19
19幡多郡大月町-74.4%19
20室戸市-74.5%41
21土佐清水市-77.1%38
22高岡郡中土佐町-83.4%19

すべての地区で高知市との価格差がp<0.05以下で統計的に有意です。

具体的に「延床120m²・土地200m²・築15年」で試算すると:

高知市
約3,555万円
南国市
約3,007万円
高岡郡中土佐町
約589万円

高知市と中土佐町を比べると、同じ広さの家で6.0倍の価格差がつきます。

高知県全体の価格推移:長期下落から2026年に回復

同じ条件の物件なら何年にどれだけの価格だったかを指数化しました(2007年=100、県全体・戸建て)。

80 100 120 140 2007 2010 2013 2016 2019 2022 2026 100 79.5 103.7(n.s.)
2009〜2020年はほぼ有意な下落、以降は徐々に回復し2026年は有意差消滅

2007年を100とすると、2009年から2020年まで(一部の年を除き)ほぼ一貫して統計的に有意な下落が続きました。2011年には79.5まで落ち込み、これが19年間で最も低い水準です。その後は緩やかな回復が続き、2025年には97.7、2026年には103.7まで上昇し、2007年との差は統計的に有意ではなくなっています。岐阜県・三重県・徳島県・福井県で見られた「長期下落から一服・回復」というパターンが、高知県でも確認できました。

データから分かったこと

高知市が突出したのは、県内唯一の大都市としての求心力の表れと考えられます。南国市(-15.4%)・吾川郡いの町(-20.0%)は比較的近い水準を維持しており、高知市への通勤圏として一定の住宅需要があることがうかがえます。

2009〜2020年の長期下落とその後の回復は、これまでのシリーズで見てきた岐阜県・三重県・徳島県・福井県と共通するパターンでした。いずれも長期の下落局面を経て、直近数年でようやく統計的な有意差が消えるところまで回復しています。

県内価格差は6.0倍で、シリーズの中では中位の水準でした。室戸岬・足摺岬周辺(室戸市・土佐清水市)のような太平洋沿岸の先端部が下位に集中しています。

FIRE目線で一言

POINT

高知市中心部での住宅費を抑えたいなら、南国市・香南市のような近郊エリアが現実的な選択肢です。太平洋沿岸まで視野を広げれば、雄大な海の景観を楽しみながらより手頃な価格で暮らせます。

長期下落からの回復基調が今後も続くかは、他県の同様のパターンとあわせて注目したいところです。

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これで47都道府県すべての分析が完了しました。北海道から沖縄まで、実際の取引データをもとに1都道府県ずつ丁寧に見てきたシリーズも、ついに完結です。読んでいただいた皆様、ありがとうございました。

この記事のデータについて
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引データのうち、戸建て(宅地(土地と建物))取引を対象に、延床面積・土地面積・築年数・取引時期などの条件を揃えたうえで統計的に推定しています。市区町村別ランキングは直近10年(2016年〜2026年、4,152件)を直近重視の重み付きで、価格推移は2007年以降19年分(6,944件)を重み付けなしで、それぞれ別の回帰モデルで算出しました(決定係数R²はそれぞれ0.60、0.58)。高知市はまだ区制を敷いていないため、市全体を1つの単位としてランキングしています。

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