鳥取県の住宅価格を調べてみた
FIRE移住研究 第45回

鳥取県の住宅価格を調べてみた
— 鳥取市がわずかに米子市を上回る、人口最少県の実態 —

第45回は鳥取県です。マンションは米子市・鳥取市中心に4自治体のみと薄いため、戸建て(対象19自治体)でランキングします。中国地方は岡山県・広島県・山口県・島根県に続く5県目の分析です。

本記事は不動産情報ライブラリ(国土交通省)の公開データに基づく試算であり、投資助言や特定物件の推奨ではありません。想定条件を変えると結果は変わります。

結論

県庁所在地の鳥取市が価格トップで、取引量トップの米子市も-7.5%とわずかに下回るのみです。3位以下は八頭郡八頭町(-31.0%)から一気に下落します。価格推移では19年間を通じてノイズの大きい横ばい圏で推移し、2026年には115.1まで上昇しましたが、この差は統計的に有意ではありません。県内価格差は鳥取市と八頭郡智頭町で6.0倍です。

鳥取県 市区町村別 価格ランキング(戸建て)

同じ延床面積・土地面積・築年数の物件で揃えて比較した場合の、市区町村ごとの価格差です(直近10年・3,308件の実取引データを回帰分析しました。基準=鳥取市)。

-80% -60% -40% -20% 0% 鳥取市(基準) 0.0% n=1,367 米子市 -7.5% n=1,027 八頭郡八頭町 -31.0% n=41 岩美郡岩美町 -38.7% n=43 境港市 -40.8% n=178 倉吉市 -41.3% n=245 東伯郡湯梨浜町 -48.1% n=78 東伯郡琴浦町 -60.7% n=47 西伯郡大山町 -71.5% n=42 八頭郡智頭町 -83.2% n=18
鳥取市より安い(統計的に有意)
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順位市区町村価格水準n
1鳥取市(基準)0.0%1367
2米子市-7.5%1027
3西伯郡日吉津村-13.8%(n.s.)16
4八頭郡八頭町-31.0%41
5岩美郡岩美町-38.7%43
6境港市-40.8%178
7倉吉市-41.3%245
8東伯郡湯梨浜町-48.1%78
9西伯郡伯耆町-49.9%77
10西伯郡南部町-50.1%28
11東伯郡北栄町-52.5%50
12東伯郡琴浦町-60.7%47
13東伯郡三朝町-65.2%19
14西伯郡大山町-71.5%42
15その他-77.6%32
16八頭郡智頭町-83.2%18

西伯郡日吉津村のみ鳥取市との価格差が統計的に有意ではありません(n.s.)。それ以外はすべてp<0.05以下で有意です。

具体的に「延床120m²・土地200m²・築15年」で試算すると:

鳥取市
約2,883万円
米子市
約2,666万円
八頭郡智頭町
約484万円

鳥取市と智頭町を比べると、同じ広さの家で6.0倍の価格差がつきます。

鳥取県全体の価格推移:19年間ノイズの大きい横ばい

同じ条件の物件なら何年にどれだけの価格だったかを指数化しました(2007年=100、県全体・戸建て)。

80 100 120 140 2007 2010 2013 2016 2019 2022 2026 100 86.7 115.1(n.s.)
19年間ノイズの大きい横ばい圏、明確なトレンドなし

2007年を100とすると、2009年・2011年・2012年に統計的に有意な下落が見られたものの、それ以降はほぼ横ばい圏で推移しました。2026年には115.1まで上昇していますが、この差は統計的に有意ではありません。人口が全都道府県で最も少ない鳥取県は取引件数自体が少なく(直近10年で3,308件)、年ごとの変動幅が大きくなりやすい点に留意が必要です。

データから分かったこと

鳥取市と米子市の価格差がわずか7.5%だったのは、両市がともに一定の都市機能を持ち、県内の二極を形成していることの表れと考えられます。西伯郡日吉津村(-13.8%、有意差なし)も両市に近い水準で、米子市周辺の都市圏が一体的な価格帯を形成していることがうかがえます。

19年間を通じて明確なトレンドが見られなかったのは、これまでのシリーズでも珍しいパターンでした。山形県・和歌山県も同様の横ばい市場でしたが、鳥取県はさらに年ごとの振れ幅が大きく、取引件数の少なさによる統計的なノイズの影響が大きいと考えられます。

県内価格差は6.0倍で、シリーズの中では中位の水準でした。八頭郡・東伯郡・西伯郡エリアのような中山間地域が下位に集中しています。

FIRE目線で一言

POINT

鳥取市・米子市いずれも同程度の価格水準のため、生活圏の好みで選べるのがポイントです。中山間地域まで視野を広げれば、非常に手頃な価格で広い土地を確保できる可能性があります。

取引件数が少なく年ごとの振れ幅が大きい市場のため、相場を見極めるには複数年のデータを見比べることが重要です。

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この記事のデータについて
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引データのうち、戸建て(宅地(土地と建物))取引を対象に、延床面積・土地面積・築年数・取引時期などの条件を揃えたうえで統計的に推定しています。市区町村別ランキングは直近10年(2016年〜2026年、3,308件)を直近重視の重み付きで、価格推移は2007年以降19年分(5,666件)を重み付けなしで、それぞれ別の回帰モデルで算出しました(決定係数R²はそれぞれ0.59、0.55)。鳥取市はまだ区制を敷いていないため、市全体を1つの単位としてランキングしています。

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