結論
県庁所在地の鳥取市が価格トップで、取引量トップの米子市も-7.5%とわずかに下回るのみです。3位以下は八頭郡八頭町(-31.0%)から一気に下落します。価格推移では19年間を通じてノイズの大きい横ばい圏で推移し、2026年には115.1まで上昇しましたが、この差は統計的に有意ではありません。県内価格差は鳥取市と八頭郡智頭町で6.0倍です。
鳥取県 市区町村別 価格ランキング(戸建て)
同じ延床面積・土地面積・築年数の物件で揃えて比較した場合の、市区町村ごとの価格差です(直近10年・3,308件の実取引データを回帰分析しました。基準=鳥取市)。
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| 順位 | 市区町村 | 価格水準 | n |
|---|---|---|---|
| 1 | 鳥取市(基準) | 0.0% | 1367 |
| 2 | 米子市 | -7.5% | 1027 |
| 3 | 西伯郡日吉津村 | -13.8%(n.s.) | 16 |
| 4 | 八頭郡八頭町 | -31.0% | 41 |
| 5 | 岩美郡岩美町 | -38.7% | 43 |
| 6 | 境港市 | -40.8% | 178 |
| 7 | 倉吉市 | -41.3% | 245 |
| 8 | 東伯郡湯梨浜町 | -48.1% | 78 |
| 9 | 西伯郡伯耆町 | -49.9% | 77 |
| 10 | 西伯郡南部町 | -50.1% | 28 |
| 11 | 東伯郡北栄町 | -52.5% | 50 |
| 12 | 東伯郡琴浦町 | -60.7% | 47 |
| 13 | 東伯郡三朝町 | -65.2% | 19 |
| 14 | 西伯郡大山町 | -71.5% | 42 |
| 15 | その他 | -77.6% | 32 |
| 16 | 八頭郡智頭町 | -83.2% | 18 |
西伯郡日吉津村のみ鳥取市との価格差が統計的に有意ではありません(n.s.)。それ以外はすべてp<0.05以下で有意です。
具体的に「延床120m²・土地200m²・築15年」で試算すると:
鳥取市と智頭町を比べると、同じ広さの家で6.0倍の価格差がつきます。
鳥取県全体の価格推移:19年間ノイズの大きい横ばい
同じ条件の物件なら何年にどれだけの価格だったかを指数化しました(2007年=100、県全体・戸建て)。
2007年を100とすると、2009年・2011年・2012年に統計的に有意な下落が見られたものの、それ以降はほぼ横ばい圏で推移しました。2026年には115.1まで上昇していますが、この差は統計的に有意ではありません。人口が全都道府県で最も少ない鳥取県は取引件数自体が少なく(直近10年で3,308件)、年ごとの変動幅が大きくなりやすい点に留意が必要です。
データから分かったこと
鳥取市と米子市の価格差がわずか7.5%だったのは、両市がともに一定の都市機能を持ち、県内の二極を形成していることの表れと考えられます。西伯郡日吉津村(-13.8%、有意差なし)も両市に近い水準で、米子市周辺の都市圏が一体的な価格帯を形成していることがうかがえます。
19年間を通じて明確なトレンドが見られなかったのは、これまでのシリーズでも珍しいパターンでした。山形県・和歌山県も同様の横ばい市場でしたが、鳥取県はさらに年ごとの振れ幅が大きく、取引件数の少なさによる統計的なノイズの影響が大きいと考えられます。
県内価格差は6.0倍で、シリーズの中では中位の水準でした。八頭郡・東伯郡・西伯郡エリアのような中山間地域が下位に集中しています。
FIRE目線で一言
鳥取市・米子市いずれも同程度の価格水準のため、生活圏の好みで選べるのがポイントです。中山間地域まで視野を広げれば、非常に手頃な価格で広い土地を確保できる可能性があります。
取引件数が少なく年ごとの振れ幅が大きい市場のため、相場を見極めるには複数年のデータを見比べることが重要です。
この記事のデータについて
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引データのうち、戸建て(宅地(土地と建物))取引を対象に、延床面積・土地面積・築年数・取引時期などの条件を揃えたうえで統計的に推定しています。市区町村別ランキングは直近10年(2016年〜2026年、3,308件)を直近重視の重み付きで、価格推移は2007年以降19年分(5,666件)を重み付けなしで、それぞれ別の回帰モデルで算出しました(決定係数R²はそれぞれ0.59、0.55)。鳥取市はまだ区制を敷いていないため、市全体を1つの単位としてランキングしています。