山形県の住宅価格を調べてみた
FIRE移住研究 第44回

山形県の住宅価格を調べてみた
— 山形市が突出、県全体は19年間ほぼ横ばい —

第44回は山形県です。マンションは山形市中心に6自治体だが、戸建てなら35自治体と対象がより広いため、戸建てでランキングします。これで東北6県(青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島)すべての分析が完了します。

本記事は不動産情報ライブラリ(国土交通省)の公開データに基づく試算であり、投資助言や特定物件の推奨ではありません。想定条件を変えると結果は変わります。

結論

県庁所在地の山形市が価格トップで、天童市(-13.5%)・寒河江市(-36.2%)と続きます。価格推移では19年間を通じてほぼ横ばい圏で推移し、2024年のみ112.2と統計的に有意な上昇を記録しましたが、2026年は106.3(有意差なし)まで落ち着いています。県内価格差は山形市と西村山郡朝日町で7.3倍です。

山形県 市区町村別 価格ランキング(戸建て)

同じ延床面積・土地面積・築年数の物件で揃えて比較した場合の、市区町村ごとの価格差です(直近10年・5,844件の実取引データを回帰分析しました。基準=山形市)。

-80% -60% -40% -20% 0% 山形市(基準) 0.0% n=1,488 天童市 -13.5% n=396 寒河江市 -36.2% n=205 東根市 -39.0% n=282 酒田市 -42.0% n=777 鶴岡市 -48.0% n=807 米沢市 -54.2% n=457 新庄市 -60.2% n=183 南陽市 -69.3% n=202 西村山郡朝日町 -86.4% n=19
山形市より安い(統計的に有意)
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順位市区町村価格水準n
1山形市(基準)0.0%1488
2天童市-13.5%396
3東村山郡山辺町-24.6%74
4寒河江市-36.2%205
5東根市-39.0%282
6上山市-39.5%151
7東田川郡三川町-41.1%26
8酒田市-42.0%777
9鶴岡市-48.0%807
10村山市-52.6%88
11東村山郡中山町-54.1%45
12米沢市-54.2%457
13東田川郡庄内町-56.7%53
14西村山郡河北町-58.7%75
15新庄市-60.2%183
16長井市-61.2%124
17飽海郡遊佐町-65.0%43
18東置賜郡高畠町-68.9%84
19南陽市-69.3%202
20西置賜郡小国町-69.6%22
21尾花沢市-73.7%44
22西村山郡大江町-75.2%32
23最上郡真室川町-75.9%24
24東置賜郡川西町-76.3%23
25西置賜郡白鷹町-77.9%35
26西村山郡朝日町-86.4%19
27その他-88.2%85

すべての地区で山形市との価格差がp<0.05以下で統計的に有意です。

具体的に「延床120m²・土地200m²・築15年」で試算すると:

山形市
約3,672万円
天童市
約3,176万円
西村山郡朝日町
約500万円

山形市と朝日町を比べると、同じ広さの家で7.3倍の価格差がつきます。

山形県全体の価格推移:19年間ほぼ横ばい、2024年のみ上昇

同じ条件の物件なら何年にどれだけの価格だったかを指数化しました(2007年=100、県全体・戸建て)。

80 100 120 140 2007 2010 2013 2016 2019 2022 2026 100 93.1 112.2
19年間ほぼ横ばい、2024年のみ有意な上昇

2007年を100とすると、19年間を通じてほぼ横ばい圏で推移しました。2010年の93.1が最も低い水準でしたが、この差も統計的に有意ではありません。2024年に112.2まで上昇したのが19年間で唯一統計的に有意な変動でしたが、2025年は110.5(有意差なし)、2026年は106.3(有意差なし)とすぐに落ち着いています。これまで見てきた東北5県(宮城・福島・青森・岩手・秋田)がいずれも直近数年で明確な上昇局面を見せていたのに対し、山形県は一時的な変動を除けば安定した横ばい市場という対照的な結果になりました。

データから分かったこと

山形市が突出したのは、県内唯一の大都市としての求心力の表れと考えられます。天童市(-13.5%)は比較的近い水準を維持しており、山形市への通勤圏として一定の住宅需要があることがうかがえます。

19年間ほぼ横ばいという値動きは、東北地方の中では山形県特有のパターンでした。宮城県・福島県・青森県・岩手県・秋田県はいずれも直近数年で明確な上昇局面を見せており、山形県だけが一時的な変動(2024年)にとどまったのは注目に値します。

県内価格差は7.3倍で、シリーズの中では中位の水準でした。置賜地方西部(西置賜郡白鷹町・川西町など)や最上地方(真室川町など)のような山間部が下位に集中しています。

FIRE目線で一言

POINT

山形市中心部での住宅費を抑えたいなら、天童市・寒河江市のような近郊都市が現実的な選択肢です。置賜地方・最上地方まで視野を広げれば、より手頃な価格で自然豊かな環境を楽しめます。

19年間の値動きが小さいという特徴は、価格変動リスクを抑えて長期保有を考える場合には安心材料になります。これで東北6県すべての分析が完了しました。

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次回は鳥取県を見てみます。
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この記事のデータについて
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引データのうち、戸建て(宅地(土地と建物))取引を対象に、延床面積・土地面積・築年数・取引時期などの条件を揃えたうえで統計的に推定しています。市区町村別ランキングは直近10年(2016年〜2026年、5,844件)を直近重視の重み付きで、価格推移は2007年以降19年分(9,423件)を重み付けなしで、それぞれ別の回帰モデルで算出しました(決定係数R²はそれぞれ0.56、0.57)。山形市はまだ区制を敷いていないため、市全体を1つの単位としてランキングしています。

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