秋田県の住宅価格を調べてみた
FIRE移住研究 第43回

秋田県の住宅価格を調べてみた
— 秋田市が突出、県内価格差は12.2倍でシリーズ屈指 —

第43回は秋田県です。マンション取引はほぼ秋田市に集中し対象自治体が4のみと薄いため、戸建て(対象25自治体)でランキングします。東北地方は宮城県・福島県・青森県・岩手県に続く5県目の分析です。

本記事は不動産情報ライブラリ(国土交通省)の公開データに基づく試算であり、投資助言や特定物件の推奨ではありません。想定条件を変えると結果は変わります。

結論

県庁所在地の秋田市が価格トップで、2位以下は大仙市(-38.7%)から一気に4割前後下落します。価格推移では2011年に84.9まで下落した後、2016年から2020年は横ばい圏、2021年以降は明確な上昇局面に入り、2025年には113.1まで達しました。県内価格差は秋田市と鹿角郡小坂町で12.2倍と、これまでのシリーズでも屈指の大きさです。

秋田県 市区町村別 価格ランキング(戸建て)

同じ延床面積・土地面積・築年数の物件で揃えて比較した場合の、市区町村ごとの価格差です(直近10年・6,720件の実取引データを回帰分析しました。基準=秋田市)。

-80% -60% -40% -20% 0% 秋田市(基準) 0.0% n=3,222 大仙市 -38.7% n=339 由利本荘市 -41.3% n=426 大館市 -48.1% n=544 横手市 -52.0% n=425 能代市 -60.8% n=333 湯沢市 -61.6% n=216 鹿角市 -63.2% n=194 北秋田市 -71.9% n=167 鹿角郡小坂町 -91.8% n=23
秋田市より安い(統計的に有意)
全21地区のランキングを見る
順位市区町村価格水準n
1秋田市(基準)0.0%3222
2大仙市-38.7%339
3潟上市-40.7%256
4由利本荘市-41.3%426
5大館市-48.1%544
6にかほ市-50.9%125
7横手市-52.0%425
8仙北郡美郷町-59.2%55
9雄勝郡羽後町-60.8%44
10能代市-60.8%333
11湯沢市-61.6%216
12鹿角市-63.2%194
13仙北市-67.5%100
14男鹿市-68.6%118
15北秋田市-71.9%167
16その他-72.0%32
17南秋田郡八郎潟町-72.2%15
18南秋田郡五城目町-73.4%26
19山本郡三種町-76.5%43
20山本郡八峰町-85.5%17
21鹿角郡小坂町-91.8%23

すべての地区で秋田市との価格差がp<0.05以下で統計的に有意です。

具体的に「延床120m²・土地200m²・築15年」で試算すると:

秋田市
約2,722万円
横手市
約1,305万円
鹿角郡小坂町
約224万円

秋田市と小坂町を比べると、同じ広さの家で12.2倍の価格差がつきます。

秋田県全体の価格推移:2011年の底から、2023年以降は上昇局面へ

同じ条件の物件なら何年にどれだけの価格だったかを指数化しました(2007年=100、県全体・戸建て)。

80 100 120 140 2007 2010 2013 2016 2019 2022 2026 100 84.9 113.1 104.4(n.s.)
2011年に底値、2023年以降は有意な上昇が続く

2007年を100とすると、2011年に84.9まで下落したのが19年間の底値でした。その後2016年から2020年までは横ばい圏で推移しましたが、2021年から回復に転じ、2023年以降は統計的に有意な上昇が続いています。2025年には113.1とピークをつけましたが、2026年には104.4(2007年との差は有意ではない)まで落ち着いています。宮城県・福島県・青森県・岩手県に続く東北地方5県目として、直近数年の上昇トレンドが共通して見られる点が興味深いところです。

データから分かったこと

秋田市が突出したのは、県内唯一の大都市としての求心力の表れと考えられます。2位の大仙市でもすでに-38.7%と大きな差があり、秋田市への一極集中がはっきりと表れています。

県内価格差12.2倍は、これまでのシリーズでも最大級の大きさでした。広い県土に人口が分散する秋田県では、秋田市周辺と過疎化が進む中山間地域との価格差が特に大きく開いています。

2023年以降の上昇局面は、東北地方の他の県と共通するトレンドの一部と言えます。ただし2026年にはやや落ち着きを見せており、上昇が一段落した可能性もあります。

FIRE目線で一言

POINT

秋田市中心部での住宅費を抑えたいなら、大仙市・由利本荘市のような近郊都市が選択肢になります。中山間地域まで視野を広げれば、非常に手頃な価格で広い土地を確保できる可能性があります。

2025年をピークにやや落ち着いた値動きが今後どう推移するかは、東北地方全体の動向とあわせて注目したいところです。

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この記事のデータについて
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引データのうち、戸建て(宅地(土地と建物))取引を対象に、延床面積・土地面積・築年数・取引時期などの条件を揃えたうえで統計的に推定しています。市区町村別ランキングは直近10年(2016年〜2026年、6,720件)を直近重視の重み付きで、価格推移は2007年以降19年分(10,973件)を重み付けなしで、それぞれ別の回帰モデルで算出しました(決定係数R²はそれぞれ0.54、0.56)。秋田市はまだ区制を敷いていないため、市全体を1つの単位としてランキングしています。

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