青森県の住宅価格を調べてみた
FIRE移住研究 第41回

青森県の住宅価格を調べてみた
— 青森・弘前・八戸の3強がほぼ横並び、2023年以降価格上昇 —

第41回は青森県です。マンション取引は青森市・弘前市・八戸市の3市のみと対象自治体が極めて薄いため、戸建て(対象40自治体)でランキングします。東北地方は宮城県・福島県に続く3県目の分析です。

本記事は不動産情報ライブラリ(国土交通省)の公開データに基づく試算であり、投資助言や特定物件の推奨ではありません。想定条件を変えると結果は変わります。

結論

県庁所在地の青森市を基準にすると、弘前市(+0.7%)・八戸市(-1.7%)・三沢市(-6.7%)はいずれも有意差なしで、青森県の主要都市が横並びの価格水準にあることが分かりました。明確な価格差が出るのは上北郡おいらせ町(-26.7%)以降です。価格推移では2012年に86.4まで下落した後、2023年以降は明確な上昇局面に入り、2026年には119.1まで達しました。県内価格差は青森市と西津軽郡深浦町で4.4倍です。

青森県 市区町村別 価格ランキング(戸建て)

同じ延床面積・土地面積・築年数の物件で揃えて比較した場合の、市区町村ごとの価格差です(直近10年・8,776件の実取引データを回帰分析しました。基準=青森市)。

-80% -60% -40% -20% 0% 青森市(基準) 0.0% n=2,651 上北郡おいらせ町 -26.7% n=171 十和田市 -33.3% n=511 五所川原市 -41.3% n=393 むつ市 -56.0% n=352 つがる市 -62.0% n=104 上北郡野辺地町 -63.6% n=77 三戸郡三戸町 -66.1% n=35 西津軽郡深浦町 -77.1% n=28 北津軽郡中泊町 -85.6% n=33
青森市より安い(統計的に有意)
全33地区のランキングを見る
順位市区町村価格水準n
1南津軽郡田舎館村+14.8%(n.s.)18
2弘前市+0.7%(n.s.)1137
3青森市(基準)0.0%2651
4八戸市-1.7%(n.s.)1861
5三沢市-6.7%(n.s.)290
6上北郡おいらせ町-26.7%171
7南津軽郡藤崎町-28.7%94
8十和田市-33.3%511
9黒石市-34.3%157
10上北郡七戸町-35.7%36
11三戸郡南部町-36.9%64
12平川市-39.3%157
13五所川原市-41.3%393
14三戸郡五戸町-44.6%61
15北津軽郡板柳町-48.5%55
16三戸郡階上町-49.1%87
17三戸郡田子町-54.2%20
18むつ市-56.0%352
19上北郡六戸町-56.2%78
20東津軽郡平内町-58.8%33
21上北郡六ヶ所村-61.7%19
22南津軽郡大鰐町-62.0%44
23つがる市-62.0%104
24北津軽郡鶴田町-62.3%57
25西津軽郡鰺ヶ沢町-62.9%29
26上北郡野辺地町-63.6%77
27上北郡東北町-64.6%39
28三戸郡三戸町-66.1%35
29上北郡横浜町-74.4%16
30その他-75.8%47
31西津軽郡深浦町-77.1%28
32東津軽郡外ヶ浜町-78.9%22
33北津軽郡中泊町-85.6%33

南津軽郡田舎館村・弘前市・八戸市・三沢市の4地区のみ青森市との価格差が統計的に有意ではありません(n.s.)。それ以外はすべてp<0.05以下で有意です。

具体的に「延床120m²・土地200m²・築15年」で試算すると:

青森市
約2,167万円
八戸市
約2,129万円
西津軽郡深浦町
約495万円

青森市と深浦町を比べると、同じ広さの家で4.4倍の価格差がつきます。

青森県全体の価格推移:2012年の底から、2023年以降は明確な上昇局面へ

同じ条件の物件なら何年にどれだけの価格だったかを指数化しました(2007年=100、県全体・戸建て)。

80 100 120 140 2007 2010 2013 2016 2019 2022 2026 100 86.4 119.1
2012年に底値、2023年以降は有意な上昇が続く

2007年を100とすると、2012年に86.4まで下落したのが19年間の底値でした。その後は2013年から2022年まで緩やかな回復と横ばいを繰り返しつつ推移し、2018年には104.1まで戻る局面もありました。2023年からは統計的に有意な上昇局面に入り、2024年に116.3、2025年に118.2、2026年には119.1まで達しています。宮城県・福島県に続く東北地方3県目として、直近の上昇トレンドが共通して見られる点が興味深いところです。

データから分かったこと

青森市・弘前市・八戸市の主要3市がほぼ横並びだったのは、県内に明確な一極集中がないことの表れと考えられます。これまで見てきた多くの県では県庁所在地が突出する傾向がありましたが、青森県は3つの中核都市が分散して発展してきた歴史が価格水準にも反映されているようです。

2023年以降の上昇局面は、宮城県・福島県に続く東北地方の共通トレンドの可能性があります。いずれも震災復興や人口移動などの要因が背景にあるかもしれませんが、本データだけで明確な因果関係を特定することはできません。

県内価格差は4.4倍で、シリーズの中では中位の水準でした。津軽半島北部(中泊町・外ヶ浜町)や日本海側(深浦町・鰺ヶ沢町)のような県北部・西部の沿岸地域が下位に集中しています。

FIRE目線で一言

POINT

青森市・弘前市・八戸市はいずれも同水準のため、通勤・生活圏の好みで選べるのがポイントです。津軽半島や日本海側まで視野を広げれば、より手頃な価格で自然豊かな暮らしを実現できます。

2023年以降の上昇局面が今後も続くかは、東北地方全体の動向とあわせて注目したいところです。

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次回は岩手県を見てみます。
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この記事のデータについて
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引データのうち、戸建て(宅地(土地と建物))取引を対象に、延床面積・土地面積・築年数・取引時期などの条件を揃えたうえで統計的に推定しています。市区町村別ランキングは直近10年(2016年〜2026年、8,776件)を直近重視の重み付きで、価格推移は2007年以降19年分(14,618件)を重み付けなしで、それぞれ別の回帰モデルで算出しました(決定係数R²はそれぞれ0.48、0.52)。青森市はまだ区制を敷いていないため、市全体を1つの単位としてランキングしています。

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