福井県の住宅価格を調べてみた
FIRE移住研究 第39回

福井県の住宅価格を調べてみた
— 福井市が突出、2021年の底値から2026年にほぼ回復 —

第39回は福井県です。マンション取引はほぼ福井市に集中し対象自治体が4のみと薄いため、戸建て(対象17自治体)でランキングします。北陸は富山県・石川県に続く3県目の分析です。

本記事は不動産情報ライブラリ(国土交通省)の公開データに基づく試算であり、投資助言や特定物件の推奨ではありません。想定条件を変えると結果は変わります。

結論

県庁所在地の福井市が価格トップで、敦賀市(-14.9%)・鯖江市(-33.8%)と続きます。価格推移では2021年に80.8まで下落したのが19年間の底値でしたが、2023年以降回復し、2026年には100.9(有意差なし)まで戻りました。県内価格差は福井市と三方郡美浜町で4.5倍です。

福井県 市区町村別 価格ランキング(戸建て)

同じ延床面積・土地面積・築年数の物件で揃えて比較した場合の、市区町村ごとの価格差です(直近10年・4,188件の実取引データを回帰分析しました。基準=福井市)。

-80% -60% -40% -20% 0% 福井市(基準) 0.0% n=2,007 敦賀市 -14.9% n=383 鯖江市 -33.8% n=382 坂井市 -39.9% n=475 越前市 -48.0% n=325 三方上中郡若狭町 -65.8% n=44 あわら市 -67.3% n=106 大野市 -73.2% n=54 勝山市 -76.3% n=40 三方郡美浜町 -77.7% n=35
福井市より安い(統計的に有意)
全16地区のランキングを見る
順位市区町村価格水準n
1福井市(基準)0.0%2007
2敦賀市-14.9%383
3吉田郡永平寺町-31.9%70
4大飯郡高浜町-33.2%43
5鯖江市-33.8%382
6坂井市-39.9%475
7小浜市-47.4%145
8越前市-48.0%325
9三方上中郡若狭町-65.8%44
10あわら市-67.3%106
11丹生郡越前町-69.5%46
12南条郡南越前町-71.7%18
13大野市-73.2%54
14勝山市-76.3%40
15三方郡美浜町-77.7%35
16その他-78.0%15

すべての地区で福井市との価格差がp<0.05以下で統計的に有意です。

具体的に「延床120m²・土地200m²・築15年」で試算すると:

福井市
約2,576万円
坂井市
約1,548万円
三方郡美浜町
約573万円

福井市と美浜町を比べると、同じ広さの家で4.5倍の価格差がつきます。

福井県全体の価格推移:2021年の底値から、2026年にほぼ回復

同じ条件の物件なら何年にどれだけの価格だったかを指数化しました(2007年=100、県全体・戸建て)。

80 100 120 140 2007 2010 2013 2016 2019 2022 2026 100 80.8 100.9(n.s.)
2021年に底値、2023年以降回復し2026年は有意差なしまで戻る

2007年を100とすると、緩やかな下落基調が続き2021年には80.8まで落ち込んだのが19年間の底値でした。しかし2023年以降は回復に転じ、2024年に98.8、2026年には100.9まで戻り、2007年との差は統計的に有意ではなくなっています。徳島県や岐阜県・三重県で見られたような「長期下落から一服」のパターンが、より緩やかな形で福井県でも確認できました。

データから分かったこと

福井市が突出したのは、北陸新幹線の延伸(2024年)を含む交通利便性や、県内唯一の大都市としての求心力の表れと考えられます。敦賀市は新幹線の新たな終着駅を擁しており、今後の値動きが注目されます。

2021年の底値から2026年にかけての回復は、これまで見てきた北陸3県(富山県・石川県・福井県)に共通する緩やかな上昇トレンドの一部と言えます。石川県のような急上昇ではなく、より穏やかな回復ペースが福井県の特徴です。

県内価格差は4.5倍で、シリーズの中では中位の水準でした。若狭湾沿岸(美浜町・若狭町)や奥越エリア(大野市・勝山市)のような山間部・沿岸部が下位に集中しています。

FIRE目線で一言

POINT

福井市中心部での住宅費を抑えたいなら、坂井市・鯖江市のような近郊都市が現実的な選択肢です。若狭湾沿岸エリアまで視野を広げれば、海の景観を楽しみながらより手頃な価格で暮らせます。

北陸新幹線の延伸効果が今後どう波及するかは、福井県・敦賀市の相場を見るうえで注目のポイントです。

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この記事のデータについて
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引データのうち、戸建て(宅地(土地と建物))取引を対象に、延床面積・土地面積・築年数・取引時期などの条件を揃えたうえで統計的に推定しています。市区町村別ランキングは直近10年(2016年〜2026年、4,188件)を直近重視の重み付きで、価格推移は2007年以降19年分(6,781件)を重み付けなしで、それぞれ別の回帰モデルで算出しました(決定係数R²はそれぞれ0.54、0.54)。福井市はまだ区制を敷いていないため、市全体を1つの単位としてランキングしています。

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