結論
県庁所在地の岐阜市を基準にすると、名古屋市への通勤圏である各務原市が+6.2%とわずかに上回る結果になりました。羽島郡岐南町(+8.2%)・羽島郡笠松町(+2.0%)も岐阜市とほぼ同水準(有意差なし)です。価格推移では2009年から2025年までほぼ一貫して統計的に有意な下落が続き、2020年には83.1まで落ち込みましたが、2026年にようやく93.3(有意差なし)まで回復し、長期下落に一服の兆しが見えています。県内価格差は各務原市と加茂郡白川町で4.1倍です。
岐阜県 市区町村別 価格ランキング(戸建て)
同じ延床面積・土地面積・築年数の物件で揃えて比較した場合の、市区町村ごとの価格差です(直近10年・13,744件の実取引データを回帰分析しました。基準=岐阜市)。
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| 順位 | 市区町村 | 価格水準 | n |
|---|---|---|---|
| 1 | 羽島郡岐南町 | +8.2%(n.s.) | 212 |
| 2 | 各務原市 | +6.2% | 1145 |
| 3 | 羽島郡笠松町 | +2.0%(n.s.) | 175 |
| 4 | 岐阜市(基準) | 0.0% | 3391 |
| 5 | 本巣郡北方町 | -3.0%(n.s.) | 169 |
| 6 | 瑞穂市 | -4.1%(n.s.) | 459 |
| 7 | 大垣市 | -9.9% | 1357 |
| 8 | 多治見市 | -11.9% | 1017 |
| 9 | 高山市 | -12.5% | 634 |
| 10 | 安八郡神戸町 | -12.7%(n.s.) | 90 |
| 11 | 可児市 | -16.3% | 805 |
| 12 | 美濃加茂市 | -17.5% | 371 |
| 13 | 土岐市 | -21.6% | 294 |
| 14 | 羽島市 | -24.7% | 508 |
| 15 | 関市 | -24.8% | 453 |
| 16 | 瑞浪市 | -27.8% | 165 |
| 17 | 安八郡安八町 | -27.8% | 85 |
| 18 | 本巣市 | -29.5% | 156 |
| 19 | 加茂郡川辺町 | -31.6% | 62 |
| 20 | 安八郡輪之内町 | -32.1% | 19 |
| 21 | 不破郡垂井町 | -34.3% | 140 |
| 22 | 恵那市 | -37.3% | 187 |
| 23 | 中津川市 | -39.8% | 363 |
| 24 | 加茂郡坂祝町 | -41.9% | 33 |
| 25 | 郡上市 | -45.5% | 247 |
| 26 | 加茂郡富加町 | -46.0% | 22 |
| 27 | 可児郡御嵩町 | -48.3% | 124 |
| 28 | 海津市 | -51.8% | 122 |
| 29 | 美濃市 | -52.4% | 76 |
| 30 | 下呂市 | -53.2% | 147 |
| 31 | 揖斐郡池田町 | -53.6% | 80 |
| 32 | 揖斐郡大野町 | -54.3% | 123 |
| 33 | 養老郡養老町 | -55.1% | 99 |
| 34 | 不破郡関ケ原町 | -55.3% | 21 |
| 35 | 飛騨市 | -55.6% | 115 |
| 36 | 山県市 | -57.3% | 131 |
| 37 | 揖斐郡揖斐川町 | -61.5% | 78 |
| 38 | 加茂郡八百津町 | -65.4% | 38 |
| 39 | その他 | -65.7% | 14 |
| 40 | 加茂郡白川町 | -74.0% | 17 |
羽島郡岐南町・羽島郡笠松町・本巣郡北方町・瑞穂市・安八郡神戸町の5地区のみ岐阜市との価格差が統計的に有意ではありません(n.s.)。それ以外はすべてp<0.05以下で有意です。
具体的に「延床120m²・土地200m²・築15年」で試算すると:
各務原市と白川町を比べると、同じ広さの家で4.1倍の価格差がつきます。
岐阜県全体の価格推移:長期下落が2026年にようやく一服
同じ条件の物件なら何年にどれだけの価格だったかを指数化しました(2007年=100、県全体・戸建て)。
2007年を100とすると、2009年から2025年まで(一部の年を除き)ほぼ一貫して統計的に有意な下落が続きました。2020年には83.1まで落ち込み、これが19年間で最も低い水準です。その後もやや持ち直しつつ横ばいが続いていましたが、2026年にはようやく93.3まで回復し、2007年との差は統計的に有意ではなくなっています。徳島県で見られた「長期下落から急反発」ほど劇的ではないものの、同じように長期下落が最終年に一服するパターンが確認できました。
データから分かったこと
各務原市が岐阜市を上回ったのは、名古屋市への通勤利便性の高さが表れた結果と考えられます。羽島郡岐南町・笠松町も岐阜市とほぼ同水準(有意差なし)で、岐阜市南東部の名古屋通勤圏エリア全体が底堅い需要を持っていることがうかがえます。
2009〜2025年の長期下落は、これまでのシリーズでも特に持続期間の長いパターンでした。三重県も同様の長期下落パターンを示しており、東海地方に共通する値動きの可能性があります。
県内価格差は4.1倍で、シリーズの中では比較的小さい部類でした。加茂郡エリア(白川町・八百津町)や飛騨地方(下呂市・飛騨市)のような山間部が下位に集中しています。
FIRE目線で一言
岐阜市中心部での住宅費を抑えたいなら、大垣市・多治見市のような近郊都市が選択肢になります。下呂市のような温泉地エリアまで視野を広げれば、より手頃な価格で自然豊かな環境を楽しめます。
長期下落が2026年にようやく一服したという値動きは、今後の相場の転換点になるかどうか注目したいところです。
この記事のデータについて
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引データのうち、戸建て(宅地(土地と建物))取引を対象に、延床面積・土地面積・築年数・取引時期などの条件を揃えたうえで統計的に推定しています。市区町村別ランキングは直近10年(2016年〜2026年、13,744件)を直近重視の重み付きで、価格推移は2007年以降19年分(23,366件)を重み付けなしで、それぞれ別の回帰モデルで算出しました(決定係数R²はそれぞれ0.61、0.61)。岐阜市はまだ区制を敷いていないため、市全体を1つの単位としてランキングしています。