結論
県庁所在地の甲府市を基準にすると、甲府市に隣接する中巨摩郡昭和町が+18.0%と大きく上回る結果になりました。甲斐市(+4.4%)・中央市(+1.6%)・富士吉田市(+1.0%)は有意差なしで、甲府市とほぼ同水準です。価格推移では2013年に86.0まで下落した後、2021年から2024年にかけて118.9まで急上昇し、2026年には103.9(有意差なし)まで落ち着いています。県内価格差は中巨摩郡昭和町と南巨摩郡身延町で6.4倍です。
山梨県 市区町村別 価格ランキング(戸建て)
同じ延床面積・土地面積・築年数の物件で揃えて比較した場合の、市区町村ごとの価格差です(直近10年・5,973件の実取引データを回帰分析しました。基準=甲府市)。
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| 順位 | 市区町村 | 価格水準 | n |
|---|---|---|---|
| 1 | 中巨摩郡昭和町 | +18.0% | 161 |
| 2 | 甲斐市 | +4.4%(n.s.) | 651 |
| 3 | 中央市 | +1.6%(n.s.) | 208 |
| 4 | 富士吉田市 | +1.0%(n.s.) | 135 |
| 5 | 甲府市(基準) | 0.0% | 1473 |
| 6 | 南都留郡富士河口湖町 | -19.7% | 163 |
| 7 | 南アルプス市 | -20.0% | 428 |
| 8 | 笛吹市 | -21.0% | 437 |
| 9 | 北杜市 | -24.1% | 887 |
| 10 | 上野原市 | -27.8% | 96 |
| 11 | 南都留郡鳴沢村 | -29.6% | 290 |
| 12 | 南都留郡西桂町 | -30.1%(n.s.) | 18 |
| 13 | 甲州市 | -35.3% | 152 |
| 14 | 韮崎市 | -40.0% | 165 |
| 15 | 南都留郡忍野村 | -40.3% | 16 |
| 16 | 都留市 | -43.5% | 111 |
| 17 | 大月市 | -44.8% | 129 |
| 18 | 南巨摩郡富士川町 | -44.9% | 58 |
| 19 | 南都留郡山中湖村 | -45.7% | 138 |
| 20 | 山梨市 | -46.6% | 131 |
| 21 | 西八代郡市川三郷町 | -56.4% | 64 |
| 22 | 南巨摩郡南部町 | -63.4% | 15 |
| 23 | その他 | -77.1% | 18 |
| 24 | 南巨摩郡身延町 | -81.5% | 29 |
甲斐市・中央市・富士吉田市・南都留郡西桂町の4地区のみ甲府市との価格差が統計的に有意ではありません(n.s.)。それ以外はすべてp<0.05以下で有意です。
具体的に「延床120m²・土地200m²・築15年」で試算すると:
昭和町と身延町を比べると、同じ広さの家で6.4倍の価格差がつきます。
山梨県全体の価格推移:2023〜2024年にピーク、2026年はやや落ち着く
同じ条件の物件なら何年にどれだけの価格だったかを指数化しました(2007年=100、県全体・戸建て)。
2007年を100とすると、2013年に86.0まで下落したのが19年間の底値でした。その後は横ばい圏で推移しましたが、2021年から急激に上昇し、2023年に116.5、2024年には118.9とピークをつけました。しかし2025年には113.5、2026年には103.9(2007年との差は統計的に有意ではない)まで落ち着いています。北杜市・富士河口湖町・山中湖村のような別荘地・リゾートエリアを抱える山梨県では、コロナ禍以降の郊外移住・二拠点居住ブームが2021〜2024年の急騰に影響した可能性がありますが、本データだけで明確な因果関係を特定することはできません。
データから分かったこと
中巨摩郡昭和町が甲府市を上回ったのは、甲府市に隣接するベッドタウンとしての利便性の高さが表れた結果と考えられます。甲斐市・中央市・富士吉田市も甲府市とほぼ同水準(有意差なし)で、甲府盆地の中心部エリア全体が高い価格帯を形成しています。
2021〜2024年の急騰とその後の落ち着きは、これまでのシリーズでも特に振れ幅の大きい値動きでした。徳島県の長期下落からの急反発とは逆方向のパターンで、山梨県は短期間で急騰した後にやや調整するという形になっています。
県内価格差は6.4倍で、シリーズの中では上位に入る水準でした。南巨摩郡エリア(身延町・南部町)のような県南部の山間地域が下位に集中しています。
FIRE目線で一言
甲府盆地エリアでの住宅費を抑えたいなら、南アルプス市・北杜市のような郊外エリアが選択肢になります。北杜市・富士河口湖町・山中湖村のような別荘地エリアは、自然環境の魅力と引き換えに一定の価格プレミアムが付いている点に注意が必要です。
2023〜2024年のピークから2026年にかけてやや落ち着いた値動きは、二拠点居住ブームの一巡を示唆している可能性があります。今後の推移を見守りたいところです。
この記事のデータについて
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引データのうち、戸建て(宅地(土地と建物))取引を対象に、延床面積・土地面積・築年数・取引時期などの条件を揃えたうえで統計的に推定しています。市区町村別ランキングは直近10年(2016年〜2026年、5,973件)を直近重視の重み付きで、価格推移は2007年以降19年分(9,818件)を重み付けなしで、それぞれ別の回帰モデルで算出しました(決定係数R²はそれぞれ0.53、0.53)。甲府市はまだ区制を敷いていないため、市全体を1つの単位としてランキングしています。