群馬県の住宅価格を調べてみた
FIRE移住研究 第34回

群馬県の住宅価格を調べてみた
— 高崎市が、県庁所在地の前橋市をわずかに上回る —

第34回は群馬県です。マンションは高崎市・前橋市中心に13自治体だが、戸建てなら35自治体と対象がより広いため、戸建てでランキングします。北関東は栃木県に続く2県目の分析です。

本記事は不動産情報ライブラリ(国土交通省)の公開データに基づく試算であり、投資助言や特定物件の推奨ではありません。想定条件を変えると結果は変わります。

結論

県庁所在地の前橋市を基準にすると、取引量トップの高崎市が+6.0%とわずかに上回る結果になりました。新幹線停車駅を擁する高崎市の利便性が反映されていると考えられます。3位以下は太田市(-12.8%)・伊勢崎市(-15.4%)・館林市(-18.6%)と続きます。価格推移では2012年に87.2まで下落した後、2022年から2026年にかけて上昇し110.2まで回復しました。県内価格差は高崎市と利根郡片品村で4.0倍です。

群馬県 市区町村別 価格ランキング(戸建て)

同じ延床面積・土地面積・築年数の物件で揃えて比較した場合の、市区町村ごとの価格差です(直近10年・15,731件の実取引データを回帰分析しました。基準=前橋市)。

-80% -60% -40% -20% 0% +20% 高崎市 +6.0% n=3,166 前橋市(基準) 0.0% n=2,937 太田市 -12.8% n=1,811 伊勢崎市 -15.4% n=1,980 館林市 -18.6% n=818 桐生市 -37.3% n=857 渋川市 -41.2% n=452 安中市 -44.5% n=354 富岡市 -57.9% n=272 利根郡片品村 -73.8% n=21
前橋市より高い(統計的に有意) 前橋市より安い(統計的に有意)
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順位市区町村価格水準n
1高崎市+6.0%3166
2前橋市(基準)0.0%2937
3邑楽郡大泉町-12.4%365
4太田市-12.8%1811
5佐波郡玉村町-15.0%276
6伊勢崎市-15.4%1980
7館林市-18.6%818
8邑楽郡明和町-26.9%47
9沼田市-33.6%208
10藤岡市-33.9%396
11邑楽郡板倉町-34.2%71
12北群馬郡吉岡町-34.2%150
13みどり市-36.4%291
14邑楽郡邑楽町-37.0%160
15桐生市-37.3%857
16邑楽郡千代田町-38.2%57
17北群馬郡榛東村-38.7%97
18渋川市-41.2%452
19利根郡昭和村-41.4%25
20安中市-44.5%354
21吾妻郡草津町-45.5%73
22吾妻郡東吾妻町-48.2%44
23吾妻郡嬬恋村-51.3%438
24甘楽郡甘楽町-57.9%62
25富岡市-57.9%272
26利根郡みなかみ町-58.7%65
27吾妻郡中之条町-61.6%89
28吾妻郡長野原町-65.5%95
29甘楽郡下仁田町-72.2%31
30その他-73.1%23
31利根郡片品村-73.8%21

すべての地区で前橋市との価格差がp<0.05以下で統計的に有意です。

具体的に「延床120m²・土地200m²・築15年」で試算すると:

高崎市
約2,917万円
前橋市
約2,753万円
利根郡片品村
約722万円

高崎市と片品村を比べると、同じ広さの家で4.0倍の価格差がつきます。

群馬県全体の価格推移:2012年の底から、2026年に110.2まで回復

同じ条件の物件なら何年にどれだけの価格だったかを指数化しました(2007年=100、県全体・戸建て)。

80 100 120 140 2007 2010 2013 2016 2019 2022 2026 100 87.2 110.2
2012年に底値、2022年以降は緩やかに上昇

2007年を100とすると、2012年に87.2まで下落したのが19年間の底値でした。その後は緩やかな回復と横ばいを繰り返しつつ2020年まで推移しましたが、2021年に100.1へ回復し、2022年に105.4まで上昇しました。2023〜2025年はやや足踏みしたものの、2026年には110.2まで再び上昇しています。首都圏への交通利便性や新幹線・高速道路網の整備が背景にある可能性がありますが、本データだけで明確な因果関係を特定することはできません。

データから分かったこと

高崎市が前橋市を上回ったのは、新幹線停車駅を擁する交通結節点としての強みが表れた結果と考えられます。群馬県は栃木県とは対照的に、県庁所在地(前橋市)よりも別の主要都市(高崎市)の方が価格が高いという結果になりました。

2012年を底に緩やかな回復軌道を描いた点は、栃木県と似た値動きでした。ただし群馬県の上昇幅は栃木県よりやや控えめで、2022年以降も一進一退を繰り返しながらの上昇という特徴があります。

県内価格差は4.0倍で、シリーズの中では比較的小さい部類でした。吾妻郡エリア(嬬恋村・草津町・長野原町など)や利根郡片品村のような山間部・高原リゾート地が下位に集中しています。

FIRE目線で一言

POINT

高崎市・前橋市周辺での住宅費を抑えたいなら、太田市・伊勢崎市のような県東部の工業都市エリアが選択肢になります。草津・嬬恋のような高原リゾートエリアまで視野を広げれば、自然豊かな環境での暮らしも検討できます。

2022年以降の緩やかな上昇が今後も続くかは、首都圏との交通アクセスの動向とあわせて見ていく価値がありそうです。

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この記事のデータについて
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引データのうち、戸建て(宅地(土地と建物))取引を対象に、延床面積・土地面積・築年数・取引時期などの条件を揃えたうえで統計的に推定しています。市区町村別ランキングは直近10年(2016年〜2026年、15,731件)を直近重視の重み付きで、価格推移は2007年以降19年分(24,462件)を重み付けなしで、それぞれ別の回帰モデルで算出しました(決定係数R²はそれぞれ0.59、0.60)。前橋市はまだ区制を敷いていないため、市全体を1つの単位としてランキングしています。

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