栃木県の住宅価格を調べてみた
FIRE移住研究 第33回

栃木県の住宅価格を調べてみた
— 宇都宮市が突出、2022年以降は価格上昇局面へ —

第33回は栃木県です。マンションは宇都宮市中心に17自治体だが、戸建てなら25自治体と対象がより広いため、戸建てでランキングします。関東地方の茨城県に続く2県目の分析です。

本記事は不動産情報ライブラリ(国土交通省)の公開データに基づく試算であり、投資助言や特定物件の推奨ではありません。想定条件を変えると結果は変わります。

結論

県庁所在地の宇都宮市が価格トップで、下野市(-12.1%)・小山市(-20.6%)と続きます。価格推移では2011年に91.9まで下落した後、2020年頃までは横ばい圏で推移し、2022年以降は明確な上昇局面に入り、2025年には119.9、2026年には119.2に達しました。県内価格差は宇都宮市と塩谷郡塩谷町で4.7倍です。

栃木県 市区町村別 価格ランキング(戸建て)

同じ延床面積・土地面積・築年数の物件で揃えて比較した場合の、市区町村ごとの価格差です(直近10年・16,827件の実取引データを回帰分析しました。基準=宇都宮市)。

-80% -60% -40% -20% 0% 宇都宮市(基準) 0.0% n=4,665 下野市 -12.1% n=490 小山市 -20.6% n=2,046 真岡市 -32.7% n=595 栃木市 -41.3% n=1,331 那須塩原市 -45.9% n=1,161 那須町 -52.8% n=847 日光市 -58.4% n=514 那須烏山市 -69.2% n=79 塩谷町 -78.5% n=28
宇都宮市より安い(統計的に有意)
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順位市区町村価格水準n
1宇都宮市(基準)0.0%4665
2下野市-12.1%490
3小山市-20.6%2046
4塩谷郡高根沢町-22.9%205
5下都賀郡壬生町-23.7%283
6下都賀郡野木町-27.7%294
7河内郡上三川町-28.3%197
8真岡市-32.7%595
9さくら市-35.9%368
10芳賀郡芳賀町-37.2%50
11栃木市-41.3%1331
12鹿沼市-41.6%667
13佐野市-42.2%1033
14足利市-42.8%1123
15大田原市-43.2%436
16那須塩原市-45.9%1161
17芳賀郡市貝町-52.0%75
18那須郡那須町-52.8%847
19芳賀郡益子町-56.5%60
20矢板市-57.0%215
21日光市-58.4%514
22那須烏山市-69.2%79
23芳賀郡茂木町-69.7%34
24那須郡那珂川町-75.7%31
25塩谷郡塩谷町-78.5%28

すべての地区で宇都宮市との価格差がp<0.05以下で統計的に有意です。

具体的に「延床120m²・土地200m²・築15年」で試算すると:

宇都宮市
約3,067万円
小山市
約2,435万円
塩谷郡塩谷町
約658万円

宇都宮市と塩谷町を比べると、同じ広さの家で4.7倍の価格差がつきます。

栃木県全体の価格推移:2011年の底から、2022年以降は上昇局面へ

同じ条件の物件なら何年にどれだけの価格だったかを指数化しました(2007年=100、県全体・戸建て)。

80 100 120 140 2007 2010 2013 2016 2019 2022 2026 100 91.9 119.2
2011年に底値、2022年以降は有意な上昇が続く

2007年を100とすると、2011年に91.9まで下落したのが19年間の底値でした。その後は緩やかな回復と横ばいを繰り返しつつ2020年まで推移しましたが、2021年に104.3へ回復し、2022年以降は統計的に有意な上昇局面に入りました。2025年には119.9とピークをつけ、2026年も119.2という高水準を維持しています。首都圏への通勤利便性や、宇都宮ライトレール(LRT)開業など交通インフラの整備が影響している可能性がありますが、本データだけで明確な因果関係を特定することはできません。

データから分かったこと

宇都宮市が突出したのは、北関東最大の都市としての求心力の表れと考えられます。隣接する下野市(-12.1%)・小山市(-20.6%)は比較的近い水準を維持しており、宇都宮市への通勤圏として一定の住宅需要があることがうかがえます。

2022年以降の上昇局面は、これまで見てきた関東の県(茨城県)と似た値動きでした。茨城県の守谷市のような突出した「基準地超え」の自治体はなく、宇都宮市を頂点とした比較的なだらかな価格分布になっています。

県内価格差は4.7倍で、シリーズの中では中位の水準でした。那須烏山市・那須郡那珂川町・塩谷郡塩谷町のような県北部の中山間地域が下位に集中しています。

FIRE目線で一言

POINT

宇都宮市中心部での住宅費を抑えたいなら、下野市・小山市のような近郊エリアが現実的な選択肢です。那須エリアまで視野を広げれば、避暑地としての魅力も兼ね備えた選択肢が見つかります。

2022年以降の上昇局面が続くかどうかは、今後の交通インフラ整備の進捗と合わせて注目したいところです。

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次回は群馬県を見てみます。
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この記事のデータについて
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引データのうち、戸建て(宅地(土地と建物))取引を対象に、延床面積・土地面積・築年数・取引時期などの条件を揃えたうえで統計的に推定しています。市区町村別ランキングは直近10年(2016年〜2026年、16,827件)を直近重視の重み付きで、価格推移は2007年以降19年分(26,427件)を重み付けなしで、それぞれ別の回帰モデルで算出しました(決定係数R²はそれぞれ0.62、0.63)。宇都宮市はまだ区制を敷いていないため、市全体を1つの単位としてランキングしています。

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