徳島県の住宅価格を調べてみた
FIRE移住研究 第31回

徳島県の住宅価格を調べてみた
— 10年以上続いた下落から、2026年に急反発 —

第31回は徳島県です。マンション取引の95%が徳島市に集中し対象自治体が2のみと薄いため、戸建て(対象20自治体)でランキングします。四国は愛媛県・香川県に続く3県目の分析です。

本記事は不動産情報ライブラリ(国土交通省)の公開データに基づく試算であり、投資助言や特定物件の推奨ではありません。想定条件を変えると結果は変わります。

結論

県庁所在地の徳島市が価格トップで、板野郡北島町(-3.1%、有意差なし)・藍住町(-11.0%)と続きます。価格推移では2013年から2025年まで、ほぼ一貫して統計的に有意な下落が続き、2022年には80.2まで落ち込みましたが、2026年に100.7まで急反発し、有意差が消えました。県内価格差は徳島市と海部郡牟岐町で5.6倍です。

徳島県 市区町村別 価格ランキング(戸建て)

同じ延床面積・土地面積・築年数の物件で揃えて比較した場合の、市区町村ごとの価格差です(直近10年・3,553件の実取引データを回帰分析しました。基準=徳島市)。

-80% -60% -40% -20% 0% 徳島市(基準) 0.0% n=1,515 板野郡北島町 -3.1%(n.s.) n=210 板野郡藍住町 -11.0% n=198 名西郡石井町 -34.1% n=133 阿南市 -39.7% n=276 鳴門市 -42.7% n=325 吉野川市 -50.3% n=153 三好市 -51.5% n=68 阿波市 -69.2% n=76 海部郡牟岐町 -82.1% n=23
徳島市より安い(統計的に有意)
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順位市区町村価格水準n
1徳島市(基準)0.0%1515
2板野郡北島町-3.1%(n.s.)210
3板野郡藍住町-11.0%198
4板野郡松茂町-16.4%76
5名西郡石井町-34.1%133
6阿南市-39.7%276
7鳴門市-42.7%325
8小松島市-42.8%174
9板野郡板野町-43.8%43
10三好郡東みよし町-47.0%24
11吉野川市-50.3%153
12三好市-51.5%68
13板野郡上板町-53.7%33
14美馬市-57.3%85
15美馬郡つるぎ町-66.6%22
16阿波市-69.2%76
17海部郡海陽町-72.2%48
18その他-76.6%32
19海部郡美波町-78.8%23
20那賀郡那賀町-79.0%16
21海部郡牟岐町-82.1%23

板野郡北島町のみ徳島市との価格差が統計的に有意ではありません(n.s.)。それ以外はすべてp<0.05以下で有意です。

具体的に「延床120m²・土地200m²・築15年」で試算すると:

徳島市
約3,206万円
阿南市
約1,933万円
海部郡牟岐町
約574万円

徳島市と牟岐町を比べると、同じ広さの家で5.6倍の価格差がつきます。

徳島県全体の価格推移:10年以上の下落から一転、急反発

同じ条件の物件なら何年にどれだけの価格だったかを指数化しました(2007年=100、県全体・戸建て)。

70 80 90 100 110 2007 2010 2013 2016 2019 2022 2026 100 80.2 100.7(n.s.)
2013〜2025年はほぼ有意な下落、2026年は有意差なしまで急反発

2007年を100とすると、2013年から2025年まで(2014年を除く)ほぼ一貫して統計的に有意な下落が続き、2022年には80.2(19年間で最も低い水準)まで落ち込みました。ところが2026年には100.7まで急反発し、2007年との差は統計的に有意ではなくなっています。10年以上続いた下落傾向がこの1年でほぼ解消された形で、これまで見たシリーズの中でも特に振れ幅の大きい値動きでした。この急反発が一時的なものか、新たなトレンドの始まりかは、今後の推移を見守る必要があります。

データから分かったこと

徳島市が突出したのは、四国東部の中心都市としての求心力の表れと考えられます。隣接する板野郡北島町・藍住町は徳島市に近い水準を維持しており、徳島市への通勤圏として一定の住宅需要があることがうかがえます。

2013年から2025年にかけての長期下落は、これまでのシリーズでも特に顕著なパターンでした。静岡県・愛媛県・香川県も値下がり傾向でしたが、徳島県はその中でも下落期間の長さが際立っています。ただし2026年の急反発により、最終的な統計的評価としては「有意な下落」とは言えない結果になりました。

県内価格差は5.6倍で、シリーズの中では中位の水準でした。海部郡エリア(牟岐町・美波町・海陽町)のような県南部の沿岸地域が下位に集中しています。

FIRE目線で一言

POINT

徳島市中心部での住宅費を抑えたいなら、板野郡エリアのような近郊の町が現実的な選択肢です。県南部の海部郡エリアまで視野を広げれば、より手頃な選択肢も見つかります。

長期下落からの急反発という値動きは、今後の相場を見極めるうえで注目に値します。資産性を重視するなら、もうしばらく値動きを見てから判断するのが良さそうです。

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この記事のデータについて
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引データのうち、戸建て(宅地(土地と建物))取引を対象に、延床面積・土地面積・築年数・取引時期などの条件を揃えたうえで統計的に推定しています。市区町村別ランキングは直近10年(2016年〜2026年、3,553件)を直近重視の重み付きで、価格推移は2007年以降19年分(5,855件)を重み付けなしで、それぞれ別の回帰モデルで算出しました(決定係数R²はそれぞれ0.62、0.58)。徳島市はまだ区制を敷いていないため、市全体を1つの単位としてランキングしています。

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