香川県の住宅価格を調べてみた
FIRE移住研究 第28回

香川県の住宅価格を調べてみた
— シリーズ3例目の「値下がり県」—

第28回は香川県です。マンション取引の85%が高松市に集中し対象自治体が4のみと薄いため、戸建て(対象17自治体)でランキングします。四国は愛媛県に続く2県目の分析です。

本記事は不動産情報ライブラリ(国土交通省)の公開データに基づく試算であり、投資助言や特定物件の推奨ではありません。想定条件を変えると結果は変わります。

結論

四国の玄関口・高松市が価格トップで、丸亀市(-7.6%)・坂出市(-16.2%)と続きます。一方で県全体の価格推移を見ると、2007年から2026年にかけて統計的に有意な下落(-16.6%)を記録しました。静岡県・愛媛県に続きシリーズ3例目の「値下がり県」です。県内価格差は高松市と東かがわ市で2.7倍と、シリーズの中でも小さめでした。

香川県 市区町村別 価格ランキング(戸建て)

同じ延床面積・土地面積・築年数の物件で揃えて比較した場合の、市区町村ごとの価格差です(直近10年・5,073件の実取引データを回帰分析しました。基準=高松市)。

-80% -60% -40% -20% 0% 高松市(基準) 0.0% n=2,625 丸亀市 -7.6% n=527 坂出市 -16.2% n=221 木田郡三木町 -17.1% n=161 綾歌郡宇多津町 -22.9% n=61 観音寺市 -30.1% n=252 善通寺市 -37.2% n=148 さぬき市 -41.9% n=238 まんのう町 -58.1% n=49 東かがわ市 -63.2% n=140
高松市より安い(統計的に有意)
全17地区のランキングを見る
順位市区町村価格水準n
1高松市(基準)0.0%2625
2丸亀市-7.6%527
3香川郡直島町-13.1%(n.s.)24
4坂出市-16.2%221
5木田郡三木町-17.1%161
6綾歌郡宇多津町-22.9%61
7仲多度郡多度津町-24.6%122
8綾歌郡綾川町-29.4%132
9観音寺市-30.1%252
10善通寺市-37.2%148
11三豊市-39.8%207
12さぬき市-41.9%238
13小豆郡小豆島町-43.2%71
14仲多度郡琴平町-49.8%32
15仲多度郡まんのう町-58.1%49
16小豆郡土庄町-60.3%63
17東かがわ市-63.2%140

香川郡直島町のみ高松市との価格差が統計的に有意ではありません(n.s.)。それ以外はすべてp<0.05以下で有意です。

具体的に「延床120m²・土地200m²・築15年」で試算すると:

高松市
約2,653万円
丸亀市
約2,450万円
東かがわ市
約975万円

高松市と東かがわ市を比べると、同じ広さの家で2.7倍の価格差がつきます。

香川県全体の価格推移:シリーズ3例目の値下がり

同じ条件の物件なら何年にどれだけの価格だったかを指数化しました(2007年=100、県全体・戸建て)。

70 80 90 100 110 2007 2010 2013 2016 2019 2022 2026 100 83.4
ほぼ全期間で統計的に有意な下落基調

2007年を100とすると、以降は85〜95の範囲で緩やかな下落基調が続き、2026年は83.4(-16.6%)まで落ち込みました。この値は統計的にも有意な下落(p<0.05)で、静岡県(-7.3%)・愛媛県(-19.7%)に続きシリーズ3例目の「値下がり県」です。四国は今回で2県分析しましたが、愛媛・香川ともに値下がりという結果になり、四国の戸建て市場に共通した構造的な下落圧力がある可能性が見えてきました。

データから分かったこと

高松市が突出したのは、四国の政治・経済・交通の中心地としての求心力の表れと考えられます。2位の丸亀市も-7.6%と比較的近い水準を維持しており、高松市・丸亀市を中心とした都市圏が香川県の住宅市場を牽引しています。

アートの島として知られる香川郡直島町は、-13.1%(統計的に有意差なし)と高松市に近い水準でした。ベネッセアートサイト直島などで国際的な知名度を持つ島ですが、n=24と少数のため参考値として見るのが適切です。

愛媛県に続き、香川県も19年間で統計的に有意な値下がりを記録しました。四国4県のうち2県で値下がりが確認されたことで、四国地方の戸建て市場全体としての傾向がうかがえます。県内価格差(2.7倍)はシリーズの中でも小さく、県内での価格のばらつき自体は比較的少ない県と言えます。

FIRE目線で一言

POINT

香川県は県内価格差が小さく、どのエリアを選んでも極端に高額・極端に安価という差が出にくい県です。高松市中心部でも、丸亀市や坂出市のような近郊都市なら比較的手頃に住宅を確保できます。

19年間の値下がりという結果は、資産性の観点では期待しにくい一方、住宅費を抑えて暮らしたいFIRE目線では、相場が落ち着いている市場として悪くない選択肢と言えそうです。

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次回は福島県を見てみます。
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この記事のデータについて
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引データのうち、戸建て(宅地(土地と建物))取引を対象に、延床面積・土地面積・築年数・取引時期などの条件を揃えたうえで統計的に推定しています。市区町村別ランキングは直近10年(2016年〜2026年、5,073件)を直近重視の重み付きで、価格推移は2007年以降19年分(8,508件)を重み付けなしで、それぞれ別の回帰モデルで算出しました(決定係数R²はそれぞれ0.57、0.55)。高松市はまだ区制を敷いていないため、市全体を1つの単位としてランキングしています。

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