結論
面積が日本一小さい自治体として知られる中新川郡舟橋村が、富山市とほぼ並ぶ結果(+6.6%、統計的に有意差なし=実質互角)になりました。19年間の価格上昇率は+14.1%で、2022年頃までは横ばい〜下落基調でしたが、直近2年で明確に上昇しています。県内価格差は富山市と下新川郡入善町で4.1倍です。
富山県 市区町村別 価格ランキング(戸建て)
同じ延床面積・土地面積・築年数の物件で揃えて比較した場合の、市区町村ごとの価格差です(直近10年・7,264件の実取引データを回帰分析しました。基準=富山市)。
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| 順位 | 市区町村 | 価格水準 | n |
|---|---|---|---|
| 1 | 中新川郡舟橋村 | +6.6%(n.s.) | 16 |
| 2 | 富山市(基準) | 0.0% | 3679 |
| 3 | 射水市 | -14.7% | 647 |
| 4 | 高岡市 | -21.6% | 1576 |
| 5 | 黒部市 | -33.0% | 151 |
| 6 | 滑川市 | -34.5% | 206 |
| 7 | 魚津市 | -34.9% | 155 |
| 8 | 砺波市 | -37.5% | 183 |
| 9 | 氷見市 | -50.3% | 137 |
| 10 | 中新川郡上市町 | -51.6% | 69 |
| 11 | 小矢部市 | -52.9% | 96 |
| 12 | 南砺市 | -56.8% | 143 |
| 13 | 中新川郡立山町 | -60.9% | 96 |
| 14 | 下新川郡朝日町 | -71.1% | 45 |
| 15 | 下新川郡入善町 | -75.5% | 65 |
中新川郡舟橋村のみ富山市との価格差が統計的に有意ではありません(n.s.)。それ以外はすべてp<0.001で有意です。
具体的に「延床120m²・土地200m²・築15年」で試算すると:
富山市と入善町を比べると、同じ広さの家で4.1倍の価格差がつきます。
富山県全体の価格推移(2007年〜2026年、19年間)
同じ条件の物件なら何年にどれだけの価格だったかを指数化しました(2007年=100、県全体・戸建て)。
2007年を100とすると、2012年に83.0(19年間で最も低い水準)まで下落しました。その後は83〜99の範囲で横ばいが続き、2022年頃までほとんどの年で2007年との差は統計的に有意ではありませんでした。2026年にようやく114.1(+14.1%)まで上昇し、この値は統計的にも有意です(p<0.05)。新潟県・岡山県と同様、長い横ばいの後に直近でようやく動き出したという値動きのパターンが、ここでも確認できました。
データから分かったこと
中新川郡舟橋村が富山市とほぼ並んだのは、意外性のある結果でした。舟橋村は面積3.47km²と日本一小さい自治体でありながら、富山地方鉄道の駅を中心にコンパクトな街づくりで知られ、子育て世代の人気が高いエリアです。ただしn=16と少数のため、参考値として見るのが適切です。
射水市・高岡市が2位・3位につけ、富山市に次ぐ都市圏を形成しています。射水市は富山新港・海王丸パークを抱える工業都市、高岡市は県内第2の都市として、いずれも富山市とは20%前後の価格差にとどまっています。
19年間、長く横ばいが続いた後に直近で上昇に転じるパターンは、新潟県・岡山県・富山県と、日本海側〜中国地方の地方都市で共通して見られました。大都市圏とは異なる、地方特有の値動きと言えそうです。
FIRE目線で一言
富山市中心部での住宅費を抑えたいなら、射水市・高岡市のような近郊都市が現実的な選択肢です。下新川郡エリアまで視野を広げれば、より手頃な選択肢も見つかります。
長く横ばいが続いた市場だけに相場の安定感がありつつ、直近では明確な上昇の兆しも見え始めています。
この記事のデータについて
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引データのうち、戸建て(宅地(土地と建物))取引を対象に、延床面積・土地面積・築年数・取引時期などの条件を揃えたうえで統計的に推定しています。市区町村別ランキングは直近10年(2016年〜2026年、7,264件)を直近重視の重み付きで、価格推移は2007年以降19年分(11,337件)を重み付けなしで、それぞれ別の回帰モデルで算出しました(決定係数R²はそれぞれ0.57、0.57)。富山市はまだ区制を敷いていないため、市全体を1つの単位としてランキングしています。