岡山県の住宅価格を調べてみた
FIRE移住研究 第24回

岡山県の住宅価格を調べてみた
— 15年の横ばいの先に、2021年からの上昇 —

第24回は岡山県です。マンションは岡山市北区に集中しており対象自治体が8のみと薄いため、戸建て(対象28自治体)でランキングします。中国地方は広島県に続く2県目の分析です。

本記事は不動産情報ライブラリ(国土交通省)の公開データに基づく試算であり、投資助言や特定物件の推奨ではありません。想定条件を変えると結果は変わります。

結論

岡山駅・岡山城を含む岡山市北区が価格トップで、南区(-6.2%)・中区(-7.7%)と僅差で続きます。価格推移では2020年頃まで統計的に有意な変動がほとんど見られない長い横ばい期間が続いた後、2021年以降にはっきりとした上昇に転じ、2026年は114.1(+14.1%)でした。県内価格差は北区と久米郡美咲町で5.9倍です。

岡山県 市区町村別 価格ランキング(戸建て)

同じ延床面積・土地面積・築年数の物件で揃えて比較した場合の、市区町村ごとの価格差です(直近10年・13,244件の実取引データを回帰分析しました。基準=岡山市北区)。

-80% -60% -40% -20% 0% 岡山市北区(基準) 0.0% n=2,043 岡山市南区 -6.2% n=1,335 岡山市中区 -7.7% n=1,514 倉敷市 -23.0% n=3,778 岡山市東区 -32.2% n=810 津山市 -52.4% n=499 玉野市 -58.6% n=473 新見市 -65.1% n=56 備前市 -77.9% n=214 美咲町 -83.2% n=39
岡山市北区より安い(統計的に有意)
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順位市区町村価格水準n
1岡山市北区(基準)0.0%2043
2岡山市南区-6.2%1335
3岡山市中区-7.7%1514
4都窪郡早島町-10.5%(n.s.)99
5倉敷市-23.0%3778
6総社市-29.8%456
7岡山市東区-32.2%810
8笠岡市-47.9%204
9浅口市-48.0%159
10浅口郡里庄町-51.2%52
11赤磐市-52.1%456
12津山市-52.4%499
13瀬戸内市-54.3%253
14井原市-56.3%107
15和気郡和気町-57.0%72
16玉野市-58.6%473
17高梁市-59.6%93
18苫田郡鏡野町-62.8%34
19加賀郡吉備中央町-62.9%57
20新見市-65.1%56
21勝田郡勝央町-71.7%41
22小田郡矢掛町-71.8%44
23真庭市-73.9%189
24美作市-75.8%131
25久米郡久米南町-76.1%17
26備前市-77.9%214
27その他-79.5%19
28久米郡美咲町-83.2%39

都窪郡早島町のみ岡山市北区との価格差が統計的に有意ではありません(n.s.)。それ以外はすべてp<0.01以下で有意です。

具体的に「延床120m²・土地200m²・築15年」で試算すると:

岡山市北区
約3,557万円
倉敷市
約2,740万円
久米郡美咲町
約598万円

岡山市北区と美咲町を比べると、同じ広さの家で5.9倍の価格差がつきます。

岡山県全体の価格推移(2007年〜2026年、19年間)

同じ条件の物件なら何年にどれだけの価格だったかを指数化しました(2007年=100、県全体・戸建て)。

80 100 120 140 2007 2010 2013 2016 2019 2022 2026 100 118.9 114.1
2021年以降、統計的に有意な上昇

2007年を100とすると、2020年頃までは93〜103の範囲で明確なトレンドのない横ばいが続きました(この間、ほとんどの年で2007年との差は統計的に有意ではありませんでした)。2021年以降にはっきりとした上昇に転じ、2023年には118.9まで上昇。2026年は114.1(+14.1%)とやや落ち着いていますが、統計的にも有意な水準です。広島県・新潟県と同様、長い横ばいの後に直近数年でようやく動き出したという値動きが、このエリア一帯に共通しているようです。

データから分かったこと

岡山市北区が突出していますが、南区・中区は僅差で続きました。いずれも北区比マイナス10%以内に収まっており、岡山市中心部の3区(北区・南区・中区)が比較的近い水準にあることが分かります。

県内第2の都市・倉敷市は-23.0%と、岡山市中心部からは明確に差がついた水準でした。美観地区で知られる観光地でありながら、住宅価格としては岡山市中心部の8割弱にとどまっています。

広島県・新潟県と同じく、長期の横ばいの後に近年ようやく上昇に転じるという値動きのパターンが、中国・北陸エリアで共通して見られました。大都市圏とは異なる、地方都市特有の値動きと言えそうです。

FIRE目線で一言

POINT

岡山市中心部での住宅費を抑えたいなら、東区のような市内の周辺区、あるいは倉敷市・総社市のような近郊都市が現実的な選択肢です。津山市・新見市のような県北部まで視野を広げれば、より手頃な選択肢も見つかります。

長く横ばいが続いた市場だけに相場の安定感がありつつ、直近では明確な上昇の兆しも見え始めています。

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この記事のデータについて
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引データのうち、戸建て(宅地(土地と建物))取引を対象に、延床面積・土地面積・築年数・取引時期などの条件を揃えたうえで統計的に推定しています。市区町村別ランキングは直近10年(2016年〜2026年、13,244件)を直近重視の重み付きで、価格推移は2007年以降19年分(20,497件)を重み付けなしで、それぞれ別の回帰モデルで算出しました(決定係数R²はそれぞれ0.60、0.60)。岡山市は区単位でデータが記録されているため、区を1つの単位としてランキングしています。

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