広島県の住宅価格を調べてみた
FIRE移住研究 第22回

広島県の住宅価格を調べてみた
— 県内価格差、シリーズ2番目の17.6倍 —

第22回は広島県です。マンションは広島市8区が個別に記録されているものの対象自治体が17と限られるため、戸建て(対象30自治体)でランキングします。中国地方は今回が初めての分析です。

本記事は不動産情報ライブラリ(国土交通省)の公開データに基づく試算であり、投資助言や特定物件の推奨ではありません。想定条件を変えると結果は変わります。

結論

平和記念公園・広島駅を含む広島市中区が価格トップで、南区(-17.2%)・西区(-27.8%)と続きます。県内価格差は中区と離島の豊田郡大崎上島町で17.6倍と、シリーズの中で北海道(80.8倍)に次ぐ大きさでした。19年間の価格上昇率は+10.8%で、2024年の114.0をピークに2026年はやや落ち着いています。

広島県 市区町村別 価格ランキング(戸建て)

同じ延床面積・土地面積・築年数の物件で揃えて比較した場合の、市区町村ごとの価格差です(直近10年・21,064件の実取引データを回帰分析しました。基準=広島市中区)。

-80% -60% -40% -20% 0% 広島市中区(基準) 0.0% n=499 広島市南区 -17.2% n=873 広島市西区 -27.8% n=1,208 広島市佐伯区 -43.1% n=1,533 広島市安佐南区 -44.2% n=1,982 福山市 -60.2% n=3,361 呉市 -72.1% n=1,695 三原市 -76.4% n=609 庄原市 -83.8% n=104 大崎上島町 -94.3% n=38
広島市中区より安い(統計的に有意)
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順位市区町村価格水準n
1広島市中区(基準)0.0%499
2広島市南区-17.2%873
3安芸郡府中町-26.8%455
4広島市西区-27.8%1208
5安芸郡海田町-40.7%209
6広島市佐伯区-43.1%1533
7広島市安佐南区-44.2%1982
8広島市東区-48.1%1059
9廿日市市-52.3%1547
10広島市安芸区-59.4%716
11福山市-60.2%3361
12東広島市-61.6%1700
13安芸郡坂町-63.8%81
14広島市安佐北区-64.4%1291
15大竹市-67.8%257
16安芸郡熊野町-68.1%119
17呉市-72.1%1695
18尾道市-73.6%822
19三次市-76.3%173
20三原市-76.4%609
21府中市-76.5%147
22安芸高田市-80.2%110
23竹原市-83.3%123
24庄原市-83.8%104
25江田島市-86.7%129
26世羅郡世羅町-89.8%62
27山県郡北広島町-90.4%108
28山県郡安芸太田町-90.8%27
29神石郡神石高原町-91.6%27
30豊田郡大崎上島町-94.3%38

上記はすべて広島市中区との比較で統計的に有意(p<0.001)です。

具体的に「延床120m²・土地200m²・築15年」で試算すると:

広島市中区
約7,116万円
福山市
約2,829万円
豊田郡大崎上島町
約404万円

広島市中区と大崎上島町を比べると、同じ広さの家で17.6倍の価格差がつきます。

広島県全体の価格推移(2007年〜2026年、19年間)

同じ条件の物件なら何年にどれだけの価格だったかを指数化しました(2007年=100、県全体・戸建て)。

80 100 120 140 2007 2010 2013 2016 2019 2022 2026 100 114.0 110.8
2021年以降、統計的に有意な上昇

2007年を100とすると、2009年に90.4まで下落した後は90〜102の範囲で横ばいが続きました。2021年以降にはっきりとした上昇に転じ、2024年には114.0まで上がりましたが、2026年は110.8とやや落ち着いています。19年間では+10.8%の上昇にとどまり、これまで見た大都市圏(東京・大阪・埼玉・千葉など)と比べるとかなり緩やかな伸びです。長らく横ばいが続いた後に近年ようやく動き出した、という値動きが特徴的でした。

データから分かったこと

県内価格差(17.6倍)は、シリーズの中で北海道(80.8倍)に次ぐ大きさでした。広島市中区の突出した価格水準と、離島部・中山間地域の手頃な価格水準の差が非常に大きいことが分かります。特に豊田郡大崎上島町のような瀬戸内海の離島は、本土の主要都市と大きな価格差がついています。

安芸郡府中町・海田町のような広島市に隣接する町が、広島市の各区より上位に位置する結果も目を引きました。府中町はマツダ本社が立地することで知られ、企業城下町としての住宅需要の強さがうかがえます。

19年間の価格上昇率(+10.8%)は、これまで見た都府県の中でも低い水準でした。長く横ばいが続いた後、2021年以降にようやく本格的な上昇に転じたという値動きは、他の中国・四国・東北エリアの住宅市場を占う上でも参考になりそうです。

FIRE目線で一言

POINT

広島市中心部での住宅費を抑えたいなら、南区・西区のような市内の周辺区、あるいは廿日市市のような近郊都市が現実的な選択肢です。福山市・呉市のような県内第2・第3の都市も、中区と比べればかなり手頃な水準です。

長期にわたって横ばいが続いた市場だけに、これから住宅費を抑えて暮らしたい人にとっては相場の安定感が魅力になりそうです。

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この記事のデータについて
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引データのうち、戸建て(宅地(土地と建物))取引を対象に、延床面積・土地面積・築年数・取引時期などの条件を揃えたうえで統計的に推定しています。市区町村別ランキングは直近10年(2016年〜2026年、21,064件)を直近重視の重み付きで、価格推移は2007年以降19年分(35,315件)を重み付けなしで、それぞれ別の回帰モデルで算出しました(決定係数R²はそれぞれ0.58、0.58)。広島市は区単位でデータが記録されているため、区を1つの単位としてランキングしています。

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