愛知県の住宅価格を調べてみた
FIRE移住研究 第17回

愛知県の住宅価格を調べてみた
— 中心4区は僅差、そこから一気に下がる —

第17回は愛知県です。名古屋市16区すべてが区単位で記録されており、東京・大阪と並ぶ豊富なデータのため、マンションでランキングします。三大都市圏(東京・大阪・名古屋)のうち、これまで未着手だった名古屋を埋める記事です。

本記事は不動産情報ライブラリ(国土交通省)の公開データに基づく試算であり、投資助言や特定物件の推奨ではありません。想定条件を変えると結果は変わります。

結論

栄・伏見を含む名古屋市中区が価格トップですが、東区(-3.8%)・千種区(-4.0%)・昭和区(-6.0%)の中心4区は僅差の混戦という結果になりました。そこから先は一気に差がつき、瑞穂区(-17.4%)以降は軒並み2桁%以上安くなります。19年間の価格上昇率は+109.6%。県内価格差は中区と愛西市で3.3倍でした。

愛知県 市区町村・区別 価格ランキング(ファミリータイプ・マンション)

同じ面積・築年数・間取りの物件で揃えて比較した場合の、区市ごとの価格差です(直近10年・37,255件の実取引データを回帰分析しました。基準=名古屋市中区)。

-80% -60% -40% -20% 0% 名古屋市中区(基準) 0.0% n=2,049 名古屋市東区 -3.8% n=1,811 名古屋市昭和区 -6.0% n=1,611 名古屋市西区 -18.6% n=1,216 名古屋市天白区 -28.3% n=1,735 豊田市 -40.5% n=1,378 岡崎市 -46.4% n=1,380 一宮市 -50.7% n=1,097 瀬戸市 -58.1% n=494 愛西市 -69.9% n=54
名古屋市中区より安い(統計的に有意)
全62地区のランキングを見る
順位区市価格水準n
1名古屋市中区(基準)0.0%2049
2名古屋市東区-3.8%1811
3名古屋市千種区-4.0%2641
4名古屋市昭和区-6.0%1611
5名古屋市瑞穂区-17.4%1150
6名古屋市名東区-18.0%1918
7名古屋市西区-18.6%1216
8名古屋市熱田区-22.0%805
9名古屋市中村区-22.4%683
10名古屋市北区-26.8%1098
11名古屋市天白区-28.3%1735
12長久手市-32.0%626
13大府市-33.5%374
14日進市-35.1%539
15名古屋市緑区-36.7%1629
16刈谷市-36.9%776
17安城市-37.0%1050
18名古屋市中川区-37.6%824
19名古屋市南区-38.6%794
20知立市-38.9%269
21豊田市-40.5%1378
22みよし市-40.7%199
23北名古屋市-41.6%201
24名古屋市守山区-43.5%1095
25岩倉市-44.0%202
26東海市-45.0%404
27豊明市-45.2%246
28清須市-45.5%169
29岡崎市-46.4%1380
30春日井市-47.0%1124
31稲沢市-47.8%395
32額田郡幸田町-48.1%36
33蒲郡市-48.3%51
34名古屋市港区-50.2%931
35尾張旭市-50.5%479
36一宮市-50.7%1097
37豊橋市-50.8%556
38弥富市-51.7%64
39海部郡蟹江町-52.7%147
40高浜市-53.2%56
41犬山市-53.8%119
42西春日井郡豊山町-53.9%49
43西尾市-54.9%98
44愛知郡東郷町-55.6%198
45丹羽郡扶桑町-55.9%17
46碧南市-56.1%18
47江南市-56.2%298
48知多郡東浦町-56.5%109
49豊川市-56.7%140
50小牧市-56.8%546
51半田市-57.4%453
52瀬戸市-58.1%494
53知多郡阿久比町-58.5%24
54あま市-59.6%205
55常滑市-60.8%61
56知多郡南知多町-62.4%114
57津島市-62.6%161
58知多市-62.7%133
59海部郡大治町-65.2%115
60知多郡武豊町-67.5%37
61愛西市-69.9%54
62その他-71.7%4

上記はすべて名古屋市中区との比較で統計的に有意(p<0.001)です。最下位「その他」はn=4と少数のため参考値としてご覧ください。

具体的に「3LDK・70m²・築15年」で試算すると:

名古屋市中区
約4,253万円
豊田市
約2,532万円
愛西市
約1,280万円

名古屋市中区と愛西市を比べると、同じ広さのマンションで3.3倍の価格差がつきます。

愛知県の価格推移:19年でほぼ2.1倍

同じ条件の物件なら何年にどれだけの価格だったかを指数化しました(2007年=100、県内全域)。

100 150 200 250 300 2007 2010 2013 2016 2019 2022 2026 100 209.6
2008年以降ほぼ全期間で統計的に有意な上昇(p<0.05)

2007年を100とすると、2026年は209.6。19年でほぼ2.1倍(+109.6%)に上昇しています。ただし三大都市圏(東京・大阪・名古屋)の中で比べると、東京(+143.8%)・大阪(+132.5%)には及ばず、名古屋の伸び率が最も緩やかという結果でした。それでも神奈川(+114.8%)に近い水準で、大都市圏としては着実な上昇と言えます。

データから分かったこと

名古屋市中区が突出していますが、東区・千種区・昭和区の「中心4区」は僅差の混戦でした。いずれも中区比マイナス6%以内に収まっており、統計的にはほぼ横並びと言える水準です。中区(栄・伏見)以外にも、名古屋には価格の近い中心エリアが複数あることが分かります。

その中心4区から一歩出ると、価格は一気に下がります。5位の瑞穂区で早くも-17.4%となり、以降は緩やかに下落が続きます。「中心部かそれ以外か」の境界がくっきりしているのが名古屋の特徴です。

豊田市(トヨタ自動車の本拠地)は21位・-40.5%と、中位に位置しました。企業城下町として知られますが、住宅価格そのものは名古屋市中心部と比べると大きな差があります。

FIRE目線で一言

POINT

名古屋市中心部での住宅費を抑えたいなら、瑞穂区・名東区・西区のような中心4区のすぐ外側が現実的な選択肢です。北名古屋市・清須市のような近郊都市であれば、中区の半額以下で住宅を確保できます。

三大都市圏の中では最も緩やかな伸びとはいえ、19年で2倍以上という上昇は他地方と比べれば十分に力強い水準です。

愛知県の物件、実際の適正価格は?全国住宅AI査定で試算できます。
今すぐ試算する →
次回は埼玉県を見てみます。
FIRE移住研究⑱ を読む →

この記事のデータについて
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引データのうち、中古マンション等・ファミリータイプ(2LDK〜5LDK)取引を対象に、面積・築年数・間取り・取引時期などの条件を揃えたうえで統計的に推定しています。区市別ランキングは直近10年(2016年〜2026年、37,255件)を直近重視の重み付きで、価格推移は2007年以降19年分(52,428件)を重み付けなしで、それぞれ算出しました(決定係数R²はランキング0.81、価格推移0.78)。名古屋市は区単位でデータが記録されているため、区を1つの単位としてランキングしています。

← FIRE移住研究 記事一覧に戻る