北海道の住宅価格を調べてみた
FIRE移住研究 第12回

北海道の住宅価格を調べてみた
— 価格差、シリーズ最大の80.8倍 —

第12回は北海道です。地域ブランド調査2025の都道府県魅力度ランキングで17年連続1位の北海道を、住宅価格の面から見ていきます。戸建てなら174市町村(n≥15)と、これまでで最も対象が広い分析になりました。国際リゾートとして地価高騰が続く倶知安町(ニセコエリア)がどこに入るかが最大の注目点です。

本記事は不動産情報ライブラリ(国土交通省)の公開データに基づく試算であり、投資助言や特定物件の推奨ではありません。想定条件を変えると結果は変わります。

結論

最も高かったのは札幌市中央区。それに次ぐ2位が虻田郡倶知安町(ニセコエリア)で、札幌市の他のどの区よりも高いという結果になりました。海外投資家からの人気が続くニセコの地価高騰が、実際の取引データにもはっきり表れています。一方、最も手頃な中川郡中川町とは80.8倍もの価格差で、これはシリーズ全体で見ても圧倒的に最大の開きでした。

北海道 市区町村別 価格ランキング(戸建て)

同じ延床面積・土地面積・築年数の物件で揃えて比較した場合の、市区町村ごとの価格差です(直近10年・57,629件の実取引データを回帰分析しました。基準=札幌市中央区)。

-80% -60% -40% -20% 0% 札幌市中央区(基準) 0.0% n=907 虻田郡倶知安町 -21.4% n=220 札幌市厚別区 -31.3% n=1,077 札幌市北区 -46.4% n=3,601 帯広市 -60.9% n=1,820 函館市 -68.1% n=2,304 旭川市 -72.9% n=4,797 釧路市 -76.0% n=2,143 小樽市 -81.0% n=1,628 稚内市 -87.2% n=325 中川町 -98.8% n=20
札幌市中央区より安い(統計的に有意、すべてp<0.001)
全156地区のランキングを見る
順位市区町村価格水準n
1札幌市中央区(基準)0.0%907
2虻田郡倶知安町-21.4%220
3札幌市厚別区-31.3%1077
4札幌市豊平区-31.7%1745
5札幌市西区-37.0%2077
6札幌市白石区-38.6%1799
7札幌市東区-39.9%2710
8札幌市清田区-44.0%1707
9札幌市北区-46.4%3601
10札幌市手稲区-47.5%2006
11千歳市-53.8%1450
12北広島市-54.4%930
13恵庭市-55.3%1100
14帯広市-60.9%1820
15江別市-61.0%1858
16札幌市南区-61.3%2143
17虻田郡ニセコ町-63.6%31
18石狩市-65.1%1069
19河東郡音更町-65.3%463
20河西郡芽室町-68.1%156
21函館市-68.1%2304
22中川郡幕別町-68.3%276
23上川郡東川町-68.3%69
24富良野市-69.2%240
25苫小牧市-70.5%3059
26上川郡東神楽町-72.5%134
27旭川市-72.9%4797
28伊達市-73.7%449
29北斗市-73.8%382
30北見市-74.9%1757
31磯谷郡蘭越町-75.8%32
32釧路市-76.0%2143
33登別市-76.4%656
34亀田郡七飯町-77.1%287
35空知郡南幌町-77.4%108
36石狩郡当別町-78.5%226
37上川郡美瑛町-78.5%107
38空知郡中富良野町-79.0%29
39河西郡中札内村-79.1%35
40河西郡更別村-79.2%19
41虻田郡京極町-79.3%27
42釧路郡釧路町-79.4%241
43夕張郡長沼町-79.9%75
44室蘭市-80.5%962
45上川郡鷹栖町-80.7%68
46標津郡中標津町-80.8%168
47阿寒郡鶴居村-80.9%15
48小樽市-81.0%1628
49網走市-81.5%297
50虻田郡洞爺湖町-83.0%87
51上川郡当麻町-83.5%52
52二海郡八雲町-83.6%60
53空知郡上富良野町-84.2%97
54岩見沢市-84.3%842
55網走郡大空町-84.4%51
56勇払郡厚真町-84.5%23
57岩内郡共和町-84.7%26
58余市郡余市町-85.3%181
59上川郡清水町-85.4%68
60斜里郡斜里町-85.6%86
61網走郡美幌町-85.7%160
62日高郡新ひだか町-85.9%127
63沙流郡日高町-85.9%85
64河東郡士幌町-85.9%36
65白老郡白老町-86.5%403
66勇払郡安平町-86.6%76
67夕張郡栗山町-86.7%86
68名寄市-86.7%299
69檜山郡江差町-86.8%34
70広尾郡大樹町-87.0%45
71新冠郡新冠町-87.1%20
72稚内市-87.2%325
73足寄郡陸別町-87.7%19
74空知郡奈井江町-87.8%47
75常呂郡訓子府町-87.9%31
76茅部郡鹿部町-88.3%68
77上磯郡木古内町-88.3%21
78浦河郡浦河町-88.3%84
79虻田郡豊浦町-88.3%34
80根室市-88.4%134
81枝幸郡枝幸町-88.6%57
82有珠郡壮瞥町-88.9%21
83滝川市-89.0%380
84紋別郡遠軽町-89.0%219
85留萌市-89.3%161
86紋別市-89.4%199
87河東郡上士幌町-89.6%54
88深川市-89.6%159
89天塩郡豊富町-89.7%20
90士別市-89.7%151
91茅部郡森町-89.7%83
92檜山郡上ノ国町-89.8%18
93檜山郡厚沢部町-90.0%20
94上川郡新得町-90.1%85
95岩内郡岩内町-90.1%105
96勇払郡むかわ町-90.2%42
97美唄市-90.3%165
98夕張郡由仁町-90.3%35
99上川郡上川町-90.3%42
100様似郡様似町-90.4%17
101空知郡南富良野町-90.6%15
102厚岸郡厚岸町-90.9%46
103中川郡池田町-90.9%69
104砂川市-91.0%151
105宗谷郡猿払村-91.0%16
106川上郡弟子屈町-91.2%102
107紋別郡湧別町-91.3%58
108足寄郡足寄町-91.4%36
109沙流郡平取町-91.5%21
110天塩郡幌延町-91.6%18
111常呂郡佐呂間町-91.7%22
112上川郡比布町-91.8%27
113余市郡仁木町-91.9%26
114十勝郡浦幌町-92.0%24
115目梨郡羅臼町-92.2%21
116斜里郡小清水町-92.3%27
117樺戸郡新十津川町-92.3%48
118河東郡鹿追町-92.4%16
119野付郡別海町-92.4%76
120中川郡本別町-92.5%46
121厚岸郡浜中町-92.6%21
122枝幸郡浜頓別町-92.6%30
123赤平市-92.8%69
124紋別郡雄武町-92.9%31
125三笠市-93.0%97
126上川郡下川町-93.1%34
127斜里郡清里町-93.2%38
128天塩郡天塩町-93.3%17
129中川郡美深町-93.3%28
130寿都郡寿都町-93.3%20
131芦別市-93.5%108
132山越郡長万部町-93.7%44
133瀬棚郡今金町-93.7%23
134久遠郡せたな町-93.8%42
135川上郡標茶町-93.9%54
136白糠郡白糠町-94.0%62
137その他-94.0%281
138上磯郡知内町-94.1%15
139苫前郡羽幌町-94.3%52
140松前郡福島町-94.3%20
141広尾郡広尾町-94.6%45
142夕張市-94.7%43
143樺戸郡月形町-95.0%17
144増毛郡増毛町-95.1%26
145上川郡愛別町-95.2%21
146上川郡和寒町-95.2%35
147松前郡松前町-95.5%22
148紋別郡興部町-95.5%44
149雨竜郡妹背牛町-95.7%27
150雨竜郡雨竜町-96.0%15
151歌志内市-96.4%19
152網走郡津別町-96.5%45
153雨竜郡沼田町-96.6%23
154紋別郡滝上町-97.7%22
155標津郡標津町-97.8%55
156中川郡中川町-98.8%20

上記はすべて札幌市中央区との比較で統計的に有意(p<0.001)です。北海道は174市町村(n≥15)を対象としており、シリーズの中で最も細かいランキングになりました。下位の自治体はサンプル数が少ないため、参考値としてご覧ください。

具体的に「延床120m²・土地200m²・築15年」で試算すると:

札幌市中央区
約7,015万円
旭川市
約1,902万円
中川郡中川町
約87万円

札幌市中央区と中川町を比べると、同じ広さの家で80.8倍もの価格差がつきます。これまでのシリーズで圧倒的に最大の開きです。

北海道全体の価格推移(2007年〜2026年、19年間)

同じ条件の物件なら何年にどれだけの価格だったかを指数化しました(2007年=100、道内全域・戸建て)。

100 120 140 160 2007 2010 2013 2016 2019 2022 2026 100 160.9
2015年以降、統計的に有意な上昇(2021年以降は特に加速)

2007年を100とすると、2026年は160.9。19年で+60.9%に上昇していて、これまで見た戸建てベースの推移(大分+12.1%、宮崎+26.8%など)の中では突出して大きな伸びです。特に2020年から2022年にかけては123.7→150.1と、わずか2年で+21%という急ピッチな上昇が見られました。全国的な不動産価格上昇に加え、ニセコエリアへの海外投資、道内主要都市への人口集中が背景にあると考えられます。

データから分かったこと

倶知安町(ニセコエリア)は、札幌市のどの区よりも高いという結果でした。基準地の中央区に次ぐ2位で、豊平区・西区・北区といった札幌市中心部の他の区をすべて上回っています。海外富裕層からの人気が続く国際リゾートとしての実力が、データにもくっきり表れました。一方、隣接するニセコ町自体は-63.6%(n=31)と大きく下がっており、投資が集中しているのは倶知安町のスキー場周辺エリアに絞られていることが伺えます。

価格差80.8倍は、シリーズ全体で群を抜いて最大でした。これまでの最大は長崎(時津町と小値賀町で12.5倍)でしたが、北海道はその6倍以上の開きです。174という対象自治体数の多さに加え、道北・道東の人口減少が進む町村では、実質的に「空き家がほぼタダ同然」という水準まで価格が下がっている現実が反映されています。

札幌市内でも、区によって価格差は明確でした。中心部の中央区・厚別区に対し、北区・手稲区のような郊外区は半額以下という結果です。同じ「札幌市内」でも、実際の価格帯は東京23区や京都市と同様に幅広いことが分かります。

FIRE目線で一言

POINT

住宅費を最優先するなら、道北・道東エリアは驚くほど手頃な価格で家が持てます。ただし積雪・除雪の負担、医療・買い物へのアクセス、冬季の生活インフラは事前に必ず確認しておきたいところです。極端に安い物件には、それなりの理由があることも多いです。

一方、ニセコエリア(倶知安町)は実需としては割高な部類ですが、国際的な認知度と観光需要を考えると、資産性の観点では引き続き注目に値するエリアと言えそうです。ただし海外市場の動向に価格が左右されやすい点は留意が必要です。

北海道の物件、実際の適正価格は?全国住宅AI査定で試算できます。
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次回は神奈川県を見てみます。
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この記事のデータについて
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引データのうち、戸建て(宅地(土地と建物))取引を対象に、延床面積・土地面積・築年数・取引時期などの条件を揃えたうえで統計的に推定しています。市区町村別ランキングは直近10年(2016年〜2026年、57,629件)を直近重視の重み付きで、価格推移は2007年以降19年分(88,824件)を重み付けなしで、それぞれ別の回帰モデルで算出しました(決定係数R²はそれぞれ0.65、0.65)。札幌市は区単位でデータが記録されているため、区を1つの単位としてランキングしています。

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