京都府の住宅価格を調べてみた
FIRE移住研究 第11回

京都府の住宅価格を調べてみた
— 観光都市の値上がりは止まらない —

第11回は京都府です。マンション取引が京都市11区(区単位で記録)と近郊都市に豊富にあるため、東京・福岡と同じくマンションでランキングします。国内外からの観光需要が住宅価格にどう表れているかが今回の注目点です。

本記事は不動産情報ライブラリ(国土交通省)の公開データに基づく試算であり、投資助言や特定物件の推奨ではありません。想定条件を変えると結果は変わります。

結論

京都市中京区が最も高く、二条城や祇園を含む中心部の区(東山区・上京区・下京区・左京区)が上位を占めました。特に印象的なのは19年間の価格上昇率が+124.0%と、ほぼ一貫した右肩上がりだったことです。福岡(+209.7%)ほどではないものの、伸びが年によってブレず、ずっと有意な上昇が続いている点はシリーズの中でも独特でした。

京都府 市区町村・区別 価格ランキング(ファミリータイプ・マンション)

同じ面積・築年数・間取りの物件で揃えて比較した場合の、区市ごとの価格差です(直近10年・13,989件の実取引データを回帰分析しました。基準=京都市中京区)。

-80% -60% -40% -20% 0% 京都市中京区(基準) 0.0% n=1,764 京都市東山区 -9.5% n=162 京都市左京区 -20.5% n=872 京都市右京区 -43.4% n=1,432 京都市南区 -47.2% n=867 京都市伏見区 -56.2% n=2,103 宇治市 -60.3% n=998 亀岡市 -66.8% n=96 八幡市 -71.7% n=323 舞鶴市 -74.5% n=28
京都市中京区より安い(統計的に有意、すべてp<0.001)
全24地区のランキングを見る
順位区市価格水準n
1京都市中京区(基準)0.0%1,764
2京都市東山区-9.5%162
3京都市上京区-17.0%749
4京都市下京区-18.3%1,127
5京都市左京区-20.5%872
6京都市北区-42.8%376
7京都市右京区-43.4%1,432
8長岡京市-44.4%415
9向日市-45.3%341
10京都市南区-47.2%867
11京都市山科区-54.9%970
12京都市伏見区-56.2%2,103
13京都市西京区-58.9%440
14乙訓郡大山崎町-59.6%91
15城陽市-59.6%95
16宇治市-60.3%998
17京田辺市-62.9%268
18亀岡市-66.8%96
19相楽郡精華町-68.7%124
20八幡市-71.7%323
21木津川市-71.8%294
22久世郡久御山町-72.9%23
23舞鶴市-74.5%28
24その他(小規模自治体)-80.1%31

上記はすべて京都市中京区との比較で統計的に有意(p<0.001)です。

具体的に「3LDK・70m²・築15年」で試算すると:

京都市中京区
約7,810万円
京都市伏見区
約3,424万円
舞鶴市
約1,993万円

中京区と舞鶴市を比べると、同じ広さのマンションで3.9倍の価格差がつきます。

京都府の価格推移:19年でほぼ2.2倍、しかもブレのない右肩上がり

同じ条件の物件なら何年にどれだけの価格だったかを指数化しました(2007年=100、府内全域)。

100 150 200 250 300 2007 2010 2013 2016 2019 2022 2026 100 224.0
2011年以降ほぼ全期間で統計的に有意な上昇(p<0.001)

2007年を100とすると、2026年は224.0。19年でほぼ2.2倍(+124.0%)に上昇しています。他の観光地(沖縄・福岡)と同様、右肩上がりの傾向は共通していますが、京都は2011年以降ほぼすべての年で統計的に有意な上昇が続いている点が特徴的です。コロナ禍(2020〜2021年)ですら明確な下落は見られず、上昇ペースがわずかに鈍化した程度でした。観光都市としてのブランド力に加え、外国人投資家・国内富裕層からの需要が下支えしている可能性があります。

データから分かったこと

京都市中心部の歴史的な区(中京・東山・上京・下京・左京)が上位を独占しました。いずれも神社仏閣・観光名所を多く抱えるエリアで、住宅としての希少性に加え、観光・インバウンド需要が価格を押し上げていると考えられます。特に祇園・清水寺を含む東山区(-9.5%)が中京区に肉薄しているのは、観光地としてのブランド力の表れと言えそうです。

京都市内でも、区によって2倍以上の価格差がありました。取引量が最も多い伏見区(-56.2%)のような南部の住宅地は、中心部と比べるとかなり手頃です。「京都市内」という同じくくりでも、実際の価格帯はかなり幅広いことが分かります。

19年間の価格推移が、これまで見た地域の中で最も「安定した右肩上がり」でした。沖縄や福岡のような急騰・停滞のメリハリではなく、ほぼ毎年連続して有意な上昇が続いています。観光都市としての需要が景気変動の影響を受けにくい、底堅い価格形成につながっている可能性があります。

FIRE目線で一言

POINT

京都市中心部は住宅費としては高めですが、19年で2倍以上という安定した値上がりを見せており、資産性を重視するなら魅力的な選択肢です。一方、住宅費を抑えたいなら伏見区や宇治市、あるいは亀岡市・舞鶴市のような府北部・周辺都市も検討の余地があります。

ただし観光都市特有の事情として、民泊規制や観光客増加に伴う生活環境の変化(混雑・騒音など)は、実際に住む上での考慮事項になりそうです。住宅価格だけでなく、生活のしやすさも含めて検討することをおすすめします。

京都府の物件、実際の適正価格は?全国住宅AI査定で試算できます。
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次回は北海道を見てみます。
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この記事のデータについて
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引データのうち、中古マンション等・ファミリータイプ(2LDK〜5LDK)取引を対象に、面積・築年数・間取り・取引時期などの条件を揃えたうえで統計的に推定しています。区市別ランキングは直近10年(2016年〜2026年、13,989件)を直近重視の重み付きで、価格推移は2007年以降19年分(府内全域、19,913件)を重み付けなしで、それぞれ算出しました(決定係数R²はランキング0.79、価格推移0.79)。京都市は区単位でデータが記録されているため、区を1つの単位としてランキングしています。

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