結論
京都市中京区が最も高く、二条城や祇園を含む中心部の区(東山区・上京区・下京区・左京区)が上位を占めました。特に印象的なのは19年間の価格上昇率が+124.0%と、ほぼ一貫した右肩上がりだったことです。福岡(+209.7%)ほどではないものの、伸びが年によってブレず、ずっと有意な上昇が続いている点はシリーズの中でも独特でした。
京都府 市区町村・区別 価格ランキング(ファミリータイプ・マンション)
同じ面積・築年数・間取りの物件で揃えて比較した場合の、区市ごとの価格差です(直近10年・13,989件の実取引データを回帰分析しました。基準=京都市中京区)。
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| 順位 | 区市 | 価格水準 | n |
|---|---|---|---|
| 1 | 京都市中京区(基準) | 0.0% | 1,764 |
| 2 | 京都市東山区 | -9.5% | 162 |
| 3 | 京都市上京区 | -17.0% | 749 |
| 4 | 京都市下京区 | -18.3% | 1,127 |
| 5 | 京都市左京区 | -20.5% | 872 |
| 6 | 京都市北区 | -42.8% | 376 |
| 7 | 京都市右京区 | -43.4% | 1,432 |
| 8 | 長岡京市 | -44.4% | 415 |
| 9 | 向日市 | -45.3% | 341 |
| 10 | 京都市南区 | -47.2% | 867 |
| 11 | 京都市山科区 | -54.9% | 970 |
| 12 | 京都市伏見区 | -56.2% | 2,103 |
| 13 | 京都市西京区 | -58.9% | 440 |
| 14 | 乙訓郡大山崎町 | -59.6% | 91 |
| 15 | 城陽市 | -59.6% | 95 |
| 16 | 宇治市 | -60.3% | 998 |
| 17 | 京田辺市 | -62.9% | 268 |
| 18 | 亀岡市 | -66.8% | 96 |
| 19 | 相楽郡精華町 | -68.7% | 124 |
| 20 | 八幡市 | -71.7% | 323 |
| 21 | 木津川市 | -71.8% | 294 |
| 22 | 久世郡久御山町 | -72.9% | 23 |
| 23 | 舞鶴市 | -74.5% | 28 |
| 24 | その他(小規模自治体) | -80.1% | 31 |
上記はすべて京都市中京区との比較で統計的に有意(p<0.001)です。
具体的に「3LDK・70m²・築15年」で試算すると:
中京区と舞鶴市を比べると、同じ広さのマンションで3.9倍の価格差がつきます。
京都府の価格推移:19年でほぼ2.2倍、しかもブレのない右肩上がり
同じ条件の物件なら何年にどれだけの価格だったかを指数化しました(2007年=100、府内全域)。
2007年を100とすると、2026年は224.0。19年でほぼ2.2倍(+124.0%)に上昇しています。他の観光地(沖縄・福岡)と同様、右肩上がりの傾向は共通していますが、京都は2011年以降ほぼすべての年で統計的に有意な上昇が続いている点が特徴的です。コロナ禍(2020〜2021年)ですら明確な下落は見られず、上昇ペースがわずかに鈍化した程度でした。観光都市としてのブランド力に加え、外国人投資家・国内富裕層からの需要が下支えしている可能性があります。
データから分かったこと
京都市中心部の歴史的な区(中京・東山・上京・下京・左京)が上位を独占しました。いずれも神社仏閣・観光名所を多く抱えるエリアで、住宅としての希少性に加え、観光・インバウンド需要が価格を押し上げていると考えられます。特に祇園・清水寺を含む東山区(-9.5%)が中京区に肉薄しているのは、観光地としてのブランド力の表れと言えそうです。
京都市内でも、区によって2倍以上の価格差がありました。取引量が最も多い伏見区(-56.2%)のような南部の住宅地は、中心部と比べるとかなり手頃です。「京都市内」という同じくくりでも、実際の価格帯はかなり幅広いことが分かります。
19年間の価格推移が、これまで見た地域の中で最も「安定した右肩上がり」でした。沖縄や福岡のような急騰・停滞のメリハリではなく、ほぼ毎年連続して有意な上昇が続いています。観光都市としての需要が景気変動の影響を受けにくい、底堅い価格形成につながっている可能性があります。
FIRE目線で一言
京都市中心部は住宅費としては高めですが、19年で2倍以上という安定した値上がりを見せており、資産性を重視するなら魅力的な選択肢です。一方、住宅費を抑えたいなら伏見区や宇治市、あるいは亀岡市・舞鶴市のような府北部・周辺都市も検討の余地があります。
ただし観光都市特有の事情として、民泊規制や観光客増加に伴う生活環境の変化(混雑・騒音など)は、実際に住む上での考慮事項になりそうです。住宅価格だけでなく、生活のしやすさも含めて検討することをおすすめします。
この記事のデータについて
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引データのうち、中古マンション等・ファミリータイプ(2LDK〜5LDK)取引を対象に、面積・築年数・間取り・取引時期などの条件を揃えたうえで統計的に推定しています。区市別ランキングは直近10年(2016年〜2026年、13,989件)を直近重視の重み付きで、価格推移は2007年以降19年分(府内全域、19,913件)を重み付けなしで、それぞれ算出しました(決定係数R²はランキング0.79、価格推移0.79)。京都市は区単位でデータが記録されているため、区を1つの単位としてランキングしています。